自動運転車の話題を至るところで見るようになったが、しかしイギリスの StreetDroneは、それが使いやすい教材としても存在すべきだ、と考えた。必要なセンサーがすべてあり、技術的に完成している製品があれば、研究や学習の素材になるだろう。そこで同社が作ったStreetDrone ONEは、Renault Twizyを改造して一連の自動運転用センサーを載せ、自動運転技術について学べるようにした電気自動車だ。
StreetDrone ONEは、児童生徒学生たちに、自動運転の技術を体験学習できる機会を与える。いくつかのタイプがあって、それぞれセンサーの種類やインターネット接続の有無などが違う。完全装備のStreetDrone ONEには、VelodyneのLiDAR、360度カメラ、低解像度の光学カメラが4基、そしてレーダーとBluetoothとWi-Fiがある。ただし、目的によって構成を変え、それら装備の使う/使わないを指定できる。またモジュール的な設計なので、研究者や児童生徒学生があとから独自のパーツやソフトウェアを追加できる。
この自動車は、いわば自動運転車のRaspberry Piだ。安いから学校などで採用しやすいし、児童生徒学生がいきなり市場にさらされる前に、自動運転車の実物を体験できる。今は予約受付中で、まずイギリスの大学の顧客向けに8月から納車される。
‘教材’以外には、自動運転車の’プラットホーム’への需要に対応しようとする企業もある。たとえばあるサプライヤーはLexusの改造車に一般市販のセンサーを装備して、Nvidiaなどの企業が自動運転車の研究開発事業を、すぐに初められるようにしている。でも学校をターゲットにするのは、賢明な戦略だろう。StreetDroneも徐々に大学やカレッジに食い込み、市場の需要に応えて彼らの教育事業の構築に貢献していくだろう。