Swatchが独自のスマートウォッチOSを開発中

今のところスマートウォッチ・ビジネスに関して強気になれる材料は乏しい。 しかしSwatchは例外を作れるかもしれない。ともあれSwatchは全力を挙げている。このスイス最大の時計メーカーは単にスマートウォッチを開発しているだけではなく、独自のスマートウォッチOSも開発している。これによってAppleやSamsung(Tizenのカスタマイズ版)に対抗する考えだ。

このニュースは CEOのNick Hayekのインタビューの中で明らかにされた。Hayekは「Swatchのウェアラブルが消費者向けデバイスとなるには、小型化と〔他の企業から〕独立したOSの開発が必要になる」と述べた。このニュースはTag Heuerがスーパーハイエンドのモジュール式スマートウォッチを発表した直後に流れた。

しかしTagのスマートウォッチが(とてつもない高価格はべつとしても)、イノベーションがAndroid Wearをベースにしている。これは多数のブランド名を冠させることでビジネスとして成功を収めたアメリカのFossilの戦術に近い。これに対してSwatchはOSから独自に開発し、Tissotブランドに製品を加えるというアプローチだ。出荷は来年の末になるという。

出荷時期がだいぶ先なのでHayekが独自OSの詳細についてほとんど語らなかったのは当然だろう。しかしこのインハウスのOSの開発は、市場に出ている同種の製品が決定的に欠いているもの、つまりバッテリー駆動時間に集中しているようだ。Swatchの幹部によれば同社は「小さく考える(think[ing] small)」、つまり駆動のための消費電力の削減に取り組んでいるという。【略】

Swatchのスマートウォッチがどういう製品になろうと、前途はかなり険しいものになる可能性がある。この分野における消費者の購買意欲はAppleなど少数のトップ・メーカーを除いて、ここしばらく減退ぎみだ。ただしデバイスメーカーがOSレベルから内製を試みる傾向は、Fitbitを始めとしてひとつのトレンドとなりつつある。FitbitのCEOは開発中のスマートウォッチについて「あらゆる部分を自分たちで作る」と強調している。

スマーフォン、スマートウォッチがSwatchが得意とする低価格製品市場に食い込む動きが続いている。Swatchの今回の発表はこの流れを逆転させようという試みのようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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