ビジネスインテリジェンスと分析を提供するTableauは、本日(米国時間8月9日)ClearGraphの買収を発表した。ClearGraphは、自然言語によるクエリ(例えば「今週の500ドル以上の取引を取得」など)によって、膨大なビジネスデータのクエリとビジュアライズを行なうことのできるサービスだ。Tableauはこのテクノロジーを自社の製品に統合し、ユーザーたちがそうした自然言語による問い合わせを使ってデータのビジュアライズを簡単に行えるようにする予定だ。
ほとんどのエンタープライズ・データベースから情報を引き出すためには、通常SQLまたは類似のデータベースクエリ言語を理解する必要があるが、近年の自然言語処理と機械学習の進歩により、ClearGraphのようなサービスが、基盤となるデータベースについてより多くのことを理解し、与えられた文章をデータベースクエリに変換することができるようになった。MicrosoftのPower BIや他の競合企業が既にこの機能を提供していることを考えれば、Tableauがこれを検討していることは驚くべきことではない(とはいえTableauは、Microsoftなどとは異なり、クラウドや自社以外のオンプレミス技術には投資していなかったので中立だと主張している)。
実際、Tableauの最高プロダクト責任者であるFrancois Ajenstatは、そのサービスのための会話インタフェースを構築する内部プロジェクトを開始していたと語った。とはいえ、これを構築するためには、Tableauは多くのインフラストラクチャを構築しなければならなかったのだが、ClearGraphが既にこの作業をすべて終えていたのだ。
ClearGraphは2014年に設立され(以前はArgo、そして Arktosと呼ばれていた)、現在は多くの大企業も含む数十の顧客を抱えているという。顧客が誰であるかは明らかにされていないが(エンタープライズ分野では珍しいことではない)、Ajenstatによればその中には金融機関、小売業者、有名なインターネット企業が含まれているそうだ。Ajenstatが指摘するように、現在の企業は、より多くのデータを従業員たちからアクセス可能にするべく苦労を重ねているので、ClearGraphの顧客が幅広い分野にまたがっていることは驚きではない。
既存のClearGraphの顧客がすぐに変化に気が付くことはないだろう。しかし、時間がたつにつれて、Tableauはこの新技術を統合した後で、それらを自身のプラットフォームに移行する可能性が高くなる。
Ajenstatはまた、この新技術は、同社がより広範囲のユーザーにアプローチすることに役立つと考えている。「Tableauは使いやすさの点でトップクラスですが、企業内のデータを分析できるユーザーの数も増えています」と彼は語った。また、次の潜在的なユーザたちはカジュアルなユーザかもしれないが、彼らの質問は単純ではない、そここそがTableauが成功するために、ClearGraphの自然言語処理技術が役立つ場所だと考えられているところだ。
ClearGraphチームは、TableauのPalo Altoオフィスに合流し、その技術をTableauに統合することに集中する。
同社は買収価格の開示は拒否したが、ClearGraphは買収以前にAccel Partnersから合計153万ドルを調達していた。
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(翻訳:Sako)