ヒューストン氏はスタートアップの創設者としてこれまでもインタビューに登場してきた。2007年にはY Combinatorに参加、2008年にはTechCrunch 50(TechCrunch Disruptの前身)に初登場し、その後はBlackrock、Sequoia、Index Venturesなどの企業から17億ドル(約1800億円)の資金を集め、2018年にはDropboxの新規株式公開にこぎつけた。
ヒューストン氏と共同創設者のArash Ferdowsi(アラシュ・フェルドーシ)氏の当初のアイデアはいたってシンプルなものだった。インターネット上でさまざまなものに簡単にアクセスできるようにしようとした。当時はファイルをUSBに入れたり、メールで自分宛てに送ったりするのが普通であったが、そうではなく、クラウドにハードドライブがあったらどんなにいいだろうと考えたのだ。この方法なら、ユーザーは場所に関係なくどこででもログオンでき、自分のコンピュータを使っていない時でもファイルにアクセスできる。
この方法をとことんシンプルにしたかった両氏は、スマートフォンやタブレットが登場する前にこの目標を達成し、最近の決算報告によると売上4億6740万ドル(約504億円)、予測年間売上18憶ドル(約1900億円)を超えるまでに会社を成長させた。現在、Dropboxの時価総額は80億ドル(約8480億円)を超えている。
気が付けば世界中がパンデミックの渦中にいる今、ヒューストン氏のようなビジネスは突如としてこれまでにない脚光を浴びている。社員が在宅で勤務し、安全な方法で作業ファイルにアクセスして同僚と簡単に共有できるように企業がクラウドへの移行を加速しているからだ。
Dropboxは創業以来、何年にもわたって単なるコンシューマ向けのファイル共有サービスからビジネスツールを拡充してその守備範囲を広げてきた。ファイルをチームで共有する、中央コンソールからファイルを管理・保護するなどのほか、パスワードマネージャ、重要なファイルを保存できるオンライン保管庫、フルバックアップなどのツールや、昨年HelloSignを買収したことで得られた電子署名やワークフローなどのツールも充実している。
TechCrunch Disrupt 2020では、ヒューストン氏からこのあたりの話がすべて聞けるはずだ。最初のアイデアから現在のDropboxになるまでの紆余曲折はきっと興味深い。すべてのスタートアップ創設者が夢見る成功の実現に向けて何をすべきかなどについても話してくれるだろう。下記の特設ページで当日チケットも販売(同ページ経由で5%オフ)しているので、ぜひ参加してもらいたい。
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(翻訳:Dragonfly)