2018年3月23日にTesla Model Xが高速道路の分離帯に衝突しドライバーが死亡する事故があった。事故車が炎上したため高速101号線はマウンテンビュー付近で2車線閉鎖された。NTSB(アメリカ運輸安全委員会)がこの事故を調査中だ。
今日(米国時間6/7)、NTSBは問題の死亡事故に関する予備調査結果を発表した。現在NTSBはまだ事故原因を推定するまでに至っていない。調査は継続される。
このレポートによれば、事故を起こしたModel Xはオートパイロットが作動しており、事故の数秒前に時速71マイル(114.2km/h)まで加速していることが判明した。
「高速道路に設置された衝撃緩和用バリアに衝突する3秒前にTeslaのスピードは時速62マイルから70.8マイルに増加していた。この間、衝突を回避しようとするブレーキ、ステアリングの操作が行われた形跡は発見されていない」とレポートは述べている。
Teslaのオートパイロットは前方に速度が遅い車両があった場合それに追従するように設計されている。NTSBの調査によれば、事故当時オートパイロットは時速75マイル(121km)に設定されていた。
Teslaの広報担当者はコメントを控えた。TechCrunchの3月の記事で報じたとおり、Teslaの担当者は私の取材に対して「内部調査では衝突前の6秒間、ドライバーはハンドルを握っていなかった」と述べた。今回のNTSBの報告はこの結論を裏付けた。
Teslaは3月のブログ記事で「Teslaのオートパイロットはあらゆる事故を防止することはできない。どんな装置であれそれは不可能だろう。しかしオートパイロットは事故が起きる確率をはるかに低下させる。それは世界のドライバー、乗客、歩行者、自転車の安全を間違いなく増進する」と述べている。
GoogleストリートビューによるTeslaが衝突した高速道路のバリア(左)。Teslaの事故の前日にもこのバリアへの衝突事故が起きていた(右)。
ABC7の報道によれば自動車の所有者で事故で死亡したドライバー、Walter Huangは、以前にTeslaをディーラーに持ち込み、Model Xがその後衝突したまさにそのバリアに寄っていく問題があると訴えていたという。HuangはAppleに勤務するプログラマーで通勤の途中だった。TeslaはこれまでHuangがオートパイロットについて苦情を申し立てた記録はないとしていた。
写真:SUSANA BATES/AFP/Getty Images(2015 9/29、Model Xの発表イベントでスピーチを行うTeslaのCEO、イーロン・マスク)
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)