珍しいニュースだ。Cloud Native Compute Foundation (CNCF)が今日(米国時間6日)、RethinkDBの著作権と資産をコード込みで取得し、それをLinux Foundationに寄付したことを発表した。RethinkDBは、ベンチャーキャピタルからそのオープンソースデータベースに対して、およそ1220万ドルの資金を調達していたが、2016年10月の時点で倒産した。CNCFは、今回の取引のために2万5000ドルを支払ったと述べている。コードはApacheライセンスの下で利用可能になる予定だ。
CNCFは、Linux Foundationが支援するプロジェクトで、データベースよりもコンテナ(Kubernetesが最も有名なプロジェクトだ)に注力している。よってRethinkDBをLinux Foundationへ移管し、自ら保守は行わないということは特に不思議ではない。RethinkDBはすぐにクラスタリングが使えるという点が注目に値する。ということで、CNCFとRethinkDBのミッションには既に重なる部分もあるのだ。CNCFのメンバーに名を連ねるのは、Cisco、Docker、Google、CoreOS、Intel、IBM、RedHat、Samsung、そしてMesosphereといった企業だ。
典型的なケースでは企業自身がLinuxやApacheのような組織にコードを寄付することになる。2万5000ドルという金額は、ここに関わる企業たちにとってはもちろん大金という訳ではないが、Linux Foundationに聞いたところ、破産後ではRethinkDB自身にコードを寄付する決定はできなかったということだ。
私がこのことについて、CNCFのエグゼクティブディレクターであるDan Kohnに尋ねると「RethinkDBは著作権をもう持っていなかったのです」という答えが返ってきた。「Rethinkにお金を貸していた者がいて、担保を設定していたのです。担保を設定していた者が著作権も所有していました。この者に2万5000ドルを支払い、著作権と資産を購入したのです」。
以前の運営母体では、RethinkDBはGNUアフェロ一般公衆ライセンス (version 3)を使用していた。それに対してLinux Foundationは、ライセンスの制限によって、プロジェクトに寄与する会社は殆どないだろうと主張していた。このことは、RethinkDBの会社自身がプロジェクトのコアコントリビューターの間は大きな問題とはならなかったが、会社が倒産した後は、コードはほとんどGitHubの上に残されることになった。
「CNCFは、少しの寄与で莫大な投資を救済できる機会だと見たのです」とKohn。「RethinkDBは数百万ドルにも及ぶ価値を生み出し、様々なプロジェクト、企業、そしてスタートアップで利用されています。今やソフトウェアは、Apacheライセンスの下で利用可能になりました。RethinkDBコミュニティは自分自身で、将来の道筋を定義するチャンスを得たのです」。
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(翻訳:Sako)