音楽のデジタル化で、アーティストの楽曲を聞くという行為はこれまでに比べて格段に簡単になったかもしれないが、コンサートでのライブパフォーマンスの体験を再現できるような方法はこれまでなかった。
TheWaveVRはまさにそれを実現しようとしている。同社は、ソーシャルVRを利用し、これまでにないくらい音楽ファンとライブパフォーマンスの距離をデジタル上で近づけようとしてしているのだ。オースティンを拠点とし、設立からまだ6ヶ月のTheWaveVRは、募集枠を越える投資家が集まったシードラウンドで250万ドルを調達した。投資家にはKPCB Edge、Presence Capital、Rothenberg Ventures、RRE Ventures、The VR Fund、Boost VC、Luma Launch、Seedcampのほか、Mike FischerやJoe Krausといったエンジェル投資家が名を連ねた。
「私たちは、世界初となるVR上の音楽メタバースをつくることで、アーティストと音楽ファンのどちらにもツールを提供し、音楽による人の繋がり方を変えようとしています」とTheWaveVR CEOのAdam Arrigoは語る。「アーティストは、会場を本物そっくりのナイトクラブから宇宙に変えたり、想像もできないような照明を設定したりと、オーディエンスが音楽を楽しむ環境を完全にカスタマイズすることができます」
TheWaveVRのプラットフォーム上では、ユーザーがデジタルライターを頭上にかざしたり、頭を前後にふったりすると、アーティストがそれに反応することができるなど、両者の間でVRを通じたコミュニケーションがとれるようになっている。プラットフォーム上での体験の大部分が、ステージ上のアーティストの背後で巻き起こる素晴らしいデジタルライトショーによって構成されるため、少なくとも最初のうちは、このプラットフォームが特にEDM(電子ダンス音楽)に向いているといえる。現時点では全ての場面がアバターによって構成される可能性が高いが、まだこれは将来的なデジタルライブ体験の革命に向けた最初のステップに過ぎない。
初期のVR支持派にとっての課題は、プラットフォームのソーシャル面の可能性に関連した技術についてアーリーアダプターを納得させ、この技術は個々人で楽しむためのものだという、現時点ではもっともらしいイメージを拭い去ることだ。TheWaveVRの設立メンバーは、同社のプラットフォームを、ユーザーが仲間とプライベートコンサートを開いたり、ジャムセッションを開催したり、有名アーティストのライブへ行ったり、世界中の人と会ったりできるような空間に進化させていきたいと考えている。
TheWaveVRは、近々ロサンゼルスのVRLAカンファレンスで「サイレントレイヴ」を開催し、これまでで1番大きな実験を行う予定だ。会場では、参加者がヘッドフォンやヘッドセットを装着し、他の参加者と一緒に間抜けな姿を見せながらVR空間でDJの音楽を楽しむこととなる。これは、TheWaveVRにとって初めての大規模なライブイベントで、私も参加予定なのでTwitter上で今週末にその様子を確認してみてほしい。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)