TikTokがロシアの「フェイクニュース」法を受け同国内での投稿を停止

TikTok(ティックトック)はロシアの新たな「フェイクニュース」法に対応して、この国でのライブストリーミングと新規コンテンツの配信を停止すると3月6日に発表した。

ロシア下院議会が3月4日に承認した同法は、政府が同国のウクライナ侵攻に関する誤情報とみなした投稿をした者は誰であれ懲役刑に処すると脅している。ロシア軍に関する誤情報を拡散したことで有罪になった者は最長15年の懲役または150万ルーブル、1万4000米ドル(約160万円)の罰金を課せられる。

TikTokは他のいくつかのニュース機関と共に、同国での運用を中止する決定を下した。「人々が深い悲しみと孤独に直面している戦争下に、安らぎと人とのつながりを提供」するためにアプリを使うユーザーおよび社員の安全を確保するため、と同社はツイートした。

ロシア政府はウクライナにおける行動を「特殊軍事作戦」および「平和維持活動」であると説明しているため、それに反するあらゆる記述は危険である。この法律やFacebookを禁止したロシアの決定は、政府の公式声明に相反する言動、あるいは同国軍隊が人道的危機を引き起こしていることを暴露する行為のすべてを抑圧しようとする政府の意図を実証している。

さらに言えば、同法はいかなる反論も圧迫しようとするロシアの行動を象徴している。現在この国では反戦抗議行動が噴出しており、3月6日には53の都市にわたり4000人近くが拘束された。モスクワだけでその数は1400人に上る。

TikTokユーザーはらは、抗議行動あるいは、経済制裁がいかにロシア人の日常に影響を与えているかなどの状況を現地から報告してきた。こうしたサービスの停止は、政府に反対する国民の行動を世界に知らしめる手段をまた1つ減らすことになる。

直近の危機は、ロシア国民がTikTokを政治的戦場として使った最初の事例ではない。1年前、若者たちは、言論の自由を支持し、反権威主義、反プーチン、反腐敗の政治家で活動家のAlexei Navalny(アレクセイ・ナワリヌイ)氏に対する政府の扱いに反対するビデオを制作した。さまざまな政治紛争の中で、ナワリヌイ氏はプーチン政府による複数回の投獄、被毒に直面し、以前の仮釈放違反の罪に問われた。

ナワリヌイ氏の支援を盛り上げ、ロシア政府によるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックや弱体化した経済への対策に対する怒りと不満を表現するために、TikTokはティーンエージャーらがパスポートを切り刻んで投げ捨てるビデオや抗議活動のハウツーを伝えるビデオであふれかえった。

TikTokの停止を受け、こうした情報を投稿していた一部のTikToker(ティックトッカー)らは、新たな聴衆を集めたりストーリーを届ける手段を失ったことを嘆いたが、Instagram(インスタグラム)やYouTube(ユーチューブ)を使って情報を拡散する決意を固めた、ただしこれらのプラットフォームがロシア・ユーザーを遮断しなければの話だ。彼らは聴衆をTelegram(テレグラム)のチャンネルにも呼び込んでいる。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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