Facebook(フェイスブック)、Snap(スナップ)いずれも、デベロッパーがそれぞれのアプリ向けの拡張現実(AR)体験と機能を構築できるツールを提供している。そして今、TikTok(ティクトック)も同じことをしようとしている。同社はこのほど、TikTok Effect Studioという新しいクリエイティブツールを立ち上げた。現在ベータ版をテスト中で、同社のデベロッパーコミュニティのみがTikTokのショートビデオアプリのためにARエフェクトを構築できる。
「Effect House」と名付けられた新しいウェブサイトで、TikTokは関心を持っているデベロッパーにEffect Studioへの早期アクセスを申し込むよう呼びかけている。
デベロッパーは用意されているフォームに名前、電子メール、TikTokアカウント情報、会社名、AR制作の経験レベル、作品例などを記入する。ウェブサイトはまた、Mac、PCのどちらを使っているのか(おそらくどのデスクトッププラットフォームを優先すべきか判断するためだろう)、仕事と個人使用どちらのためにEffect Houseをテストするのかを確認する。
このプロジェクトは、ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナヴァラ)氏がSam Schmir(サム・シュミル)氏のヒントを得て最初に発見した。
TikTok is launching an Effects Studio in beta
h/t @Sam_Schmir pic.twitter.com/K3LS5S2Yoq
— Matt Navarra (@MattNavarra) August 14, 2021
TikTokはウェブサイトが8月初めに開設されたことをTechCrunchに認めたが、プロジェクトそのものはまだ米国を含むいくつかのマーケットだけでテストを行っている初期段階にある。
これらのツールがいつ広く利用できるようになるのか、同社はタイムフレームを示さなかった。その代わり、Effect Studioは初期の「実験」と位置付け、実験したものすべてが実際に提供されるとは限らないと付け加えた。さらに、他の実験も初期ベータ段階から一般提供されるまでの間にかなりの変化があるかもしれない。
とはいえ、ARツールセットの立ち上げでTikTokは業界のライバルとこれまで以上に張り合えるようになりそうだ。ライバルたちは新しい機能やエクスペリエンスを追加してアプリの機能セットを拡大するのにクリエイティブなコミュニティに頼っている。例えばSnapは2020年にSnapchat AR Lens構築のために350万ドル(約3億8400万円)の基金を立ち上げた。一方、6月に開催されたFacebookのF8デベロッパー会議で同社は、Spark ARプラットフォームを190カ国のクリエイター60万人超に提供し、世界最大のモバイルARプラットフォームになったと発表した。
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TikTokもここ数年、デベロッパーツールへの投資を増やしてきた。しかし最近は自前のアプリにTikTokをより深く統合したいサードパーティデベロッパー向けのツールキットに注力してきた。今日、TikTokのデベロッパーウェブサイトはアプリ開発者がTikTok機能をアプリに加えられるようにしているツールへのアクセスを提供している。ユーザー認証フローやサウンド共有、そしてユーザーがサードパーティの編集アプリからTikTokへとビデオを公開できるようにするその他のものなどだ。
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ただし、新しいTikTok Effect Studioはサードパーティアプリで使うためのものではない。
消費者向けビデオアプリで直接TikTokユーザーに提供される、ARエクスペリエンス(そして他のクリエイティブなエフェクト)を構築するためのものだ。
TikTokは、TikTok Effect Studioのより広範な目標を喜んで認めたが、プロジェクトがまだ初期段階にあるとして具体的なツールの詳細を明らかにするのは却下した。
「当社は常にコミュニティに価値をもたらし、TikTokエクスペリエンスを豊かなものにする新しい方法を検討しています」とTikTokの広報担当はTechCrunchに語った。「現在当社はクリエイターのクリエイティブなアイデアをTikTokコミュニティのために現実のものにする追加のツールを提供する方法を実験しています」。
画像クレジット:Nur Photo / Getty Images
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi)