TRUSTDOCKのeKYCサービスが国内でMastercard Awardを受賞、ドバイでの最終選考会へ

TRUSTDOCKは、Mastercard主催の「Mastercard Start Path」の日本地区大会で、同社のeKYC身分証アプリ&API群が「Mastercard Award」を受賞、ドバイで開催される最終選考会(グローバルセレクション)へ参加することを発表した。

eKYC(electronic Know Your Customer)とは、スマートフォンとそのカメラ機能を活用したオンライン経由の個人認証サービス。免許証やマイナンバーカードなどの公的証明書や自撮り画像などスマホで撮影してネット経由で送信することで本人確認が完了し、金融機関の口座の開設や本人確認が必要な各種サービスを利用可能になる。TRUSTDOCKのeKYCサービスは、公的証明書の厚みを撮影したり、任意の文字を読み上げさせた状態で本人を撮影したりと、不正登録を防ぐ仕組みが取り入れられている。

eKYCについては、すでにLINEが日本電気(NEC)が開発・提供する「Digital KYC」を「LINE Pay かんたん本人確認」を導入しているほか、メルカリも独自のeKYCによる「アプリでかんたん本人確認」によって、本人確認サービスを実施している。LINEはLINE Pay、メルカリはメルペイというキャッシュレス決済サービスを提供しており、LINE Payでは他人への送金や受け取り、メルペイでは「メルペイあと払い」という少額ローンなどにeKYCを役立てている。

なぜeKYCが必要なのか。eKYCは、犯罪収益移転防止法(犯罪による収益の移転防止に関する法律)の目的である資金洗浄(不法に得た資金の出所を消す違法行為)を防ぐための手段として有望視されている。これまでも金融機関での口座開設時などに本人確認書類が必要だったが、運転免許証のコピーなどを貼り付けて郵送で送るというやり取りが一般的だった。eKTCのように本人確認書類を写真で撮影して申請できる金融機関もあったが、目視確認のための人員確保なども必要なため、資金力のある大手など一部での導入に限られていた。

こういった一連のクラウド認証システムを汎用的に使えるようにしたのが、TRUSTDOCKが開発したeKYC身分証アプリ&API群。日本だけでなく今後は世界各国でのアカウント開設やデジタル取引の際に必要な本人確認に対応する予定だ。もちろん、犯罪収益移転防止法だけでなく、携帯電話不正利用防止法、古物営業法、労働者派遣法、出会い系サイト規制法、民泊新法などにかかわる犯罪行為を、厳格な本人確認による事前回避を期待できる。

「Mastercard Start Path」は、次世代のコマースソリューションの開発を目指し、スタートアップを支援するためのプログラム。2014年にスタートしたプログラムで、選ばれたスタートアップは、Mastercardの専門チームによるグローバルネットワークの活用、Mastercardのパートナー企業へのアクセス、Mastercard のソリューションを活用することができる。2015年には、参加した世界200社以上から日本のMoneytreeが4社の中の1社としてMasterCard Start Path Global第一期に選ばれている。Moneytreeは、金融機関の口座やクレジットカードの支払履歴など個人資産の管理を行えるアプリ「Moneytree」や、このMoneytreeを基にした金融インフラプラットフォームとしてMT LINK by Moneytreeをさまざな金融機関にて提供している2012年設立のスタートアップだ。

eKYCがアプリやサービスに手軽かつ低コストで導入できるようになれば、ネット経由の商取引での不正行為や犯罪に未成年を巻き込むことを未然に防げるようになるはずだ。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。