Twitter、iOSとAndroidアプリでフォローしてないツイートを表示―タイムラインの汚染だ

Twitterのストリームがいつもよりクソみたい乱雑に見えたらそれには理由がある。Twitterがタイムラインに何を表示するか決めるアルゴリズムをいじったせいなのだ。

一言でいえば、Twitterのタイムラインにはフォローしていないユーザーからのツイートが表示されるようになった。これはすでに行われているプロモーテッドツイートと称される広告ツイートは別だ。

昨日(米国時間8/19)、Twitterはヘルプセンターのページに次の段落を追加した。

また、われわれはあるツイートまたはアカウントがポピュラーであり、関連性があると認めた場合、あなたのタイムラインにそれらを追加することがあります。つまりあなたがフォローしていないアカウントからのツイートが時折表示されるということになります。われわれはそのツイートがどれほどポピュラーであるか、あなたのネットワーク中で他のユーザーがどのように反応しているかなど、さまざまな要素を考慮に入れてツイートを選択します。われわれの目的はタイムラインをユーザーにとって多様かつ関連性ある面白いものにすることです。

〔日本版〕Twitterの日本語ヘルプページの表示は、「注記: プロモツイート、フォローしているアカウントからのリツイート、または自分に関係があるコンテンツなど、フォローしていないアカウントからのコンテンツが表示されることがあります」と簡単にまとめられている。

「ポピュラーなツイート」を表示するという文言からすると、これはFacebookのタイムラインの価値を大幅に下げている主流メディアから転載されたくだらない投稿のようなツイートがアルゴリズムによって注入されるとみてよいだろう。他のユーザーが「お気に入り」に指定した回数の多いツイートを優先表示するというアルゴリズムもGuardianの記事によれば不評だった。

Twitterは「お気に入り」機能の現実の使われ方をまったく理解していない。Twitterユーザーは「お気に入り」を「後で読む」やブックマーク代わりに使う。またフォローしているユーザーに対して「それを読んだ」とか「笑った」などと伝えるために使われることも多い。こういう実態を無視して機械的に「お気に入り」の回数が多いツイートフォローしていないユーザーのタイムラインに割り込ませることはタイムラインの価値を低下させる。しかしTwitterは「お気に入り」にFacebookの「いいね!」ボタンのような役割を果たさせたいのだろう。

私は長年のTwitterユーザーで、ツイートの回数もこの6年で2万回以上になる。 その私が言うのだが、フォローしていない相手からのツイートは私にとってクソだ。そんなものが読みたければFacebookを使った方がましだ。われわれのTechCrunchの同僚も書いていたように「ポピュラー」だということは「私にとって興味がある」ことを意味しない。

Twitterが無関係なツイートでユーザーのタイムラインを汚染しようとする理由はトラフィックを増やせねばならぬという財務上の必要性だ。今期の決算は株価を押し上げたが、その前の2期の結果は惨憺たるもので、社員の持ち株の売却が解禁された5月には上場以来最低となっていた。

Twitterのポピュリスト的な動きは特に今年に入ってから目立った。たとえば今年初めにはタイムラインに写真のプレビューが導入され、これによってタイムラインはFacebookのニュースフィードそっくりになってしまった。

今回のフォローしていないユーザーからのツイート表示でTwitterのFacebook化がまた大きく一歩進んだ。

アップデート: われわれの理解では、今回の変更はiOSとAndroidの公式Twitterアプリのみに及んでいるようだ。アルゴリズムで選ばれたツイートを見たくないユーザーはTweetbotを使うかブラウザからTwitterを開けばよい(あるいはHootsuiteなどサードパーティーのアプリを使う)。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。