Twitterが白人至上主義団体KKKの元リーダーのアカウントをついに永久追放

Twitter(ツイッター)は、白人至上主義団体のKu Klux Klan(クー・クラックス・クラン)の元リーダーであるDavid Duke(デービッド・デューク)氏のアカウントを永久に凍結したことを明らかにした。

デューク氏は何年にもわたりTwitterのプラットフォーム上で自由に活動してきた。約5万3000人のフォロワーを擁し、最近はトランプ大統領の再選を支持するとツイートした(Gizmode記事)。現在、同氏の@DrDavidDukeアカウントページに行くと「アカウント停止」のお知らせが表示される。

Twitterの広報担当者はTechCrunchに対し、デューク氏追放は恒久的な措置であると認め、次の短い声明を電子メールで送った。

あなたが参照したアカウントは、悪意ある行為に関するTwitterのルールに繰り返し違反したため永久に停止されました。この強制措置は、最近更新された有害なリンクに関するガイダンスに準拠しています。

この動きはどこでも「反ナチス」によって歓迎されたが、Twitterが「KKKの顔」を追放するのにこれほど時間がかかったことを喜んでいる人はいない。同社は長い間、プラットフォームにおける悪意ある行為を禁止するポリシーについて主張してきたが、一方で独自ルールの実際の施行には何年もかかった。

Twitterはポリシーに定義されている「許容される行為」の制限に関して積極的に行動しないことで悪名高い。同社は長年にわたり、誹謗や有害なヘイトスピーチを実質的にチェックせず、それらが蓄積され、拡がるのを許してきた。 最終的に同社は、ユーザーが怖がって逃げていく動きを止めるために自社の行動指針の整理を余儀なくされた。2017年にTechCrunchが指摘(未訳記事)したように、これはどんな基準によっても優れたリーダーシップの定義に当てはまらない。

それから数年の間にTwitterは施行の準備を徐々に進めてきた。2018年には、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOによる「対話的健全」(未訳記事)に向けた動きがあり、ヘイト行為に関するポリシーをさらに拡大した。施行の状況は依然つぎはぎ(未訳記事)で、まだら模様(未訳記事)だが、今年は大きく前進したようだ。それは悪名高い英国の右翼ヘイトコメンテーターの追放で始まった。

Twitterによる2020年の施行の原動力は、パンデミックと関係が深いかもしれない。Twitterは3月、新型コロナウイルスの偽情報がオンラインで広まることを懸念し、新型コロナデマと戦うためのステップとして、有害なリンク、または「悪意あるURL」の拡散をゼロにすべくルールを変更(@TwitterSupport投稿)した。

公衆衛生上のリスクがTwitter本部を施行に集中するよう後押ししたようだ。プラットフォームの誰もがその恩恵を受けるはずだ。

Twitterは最近、右翼の陰謀論グループQanon(Qアノン)を取り締まり、今月初めに7000アカウントを凍結した。同社はトランプ米大統領によるプラットフォーム乱用に対応する方法もついに見つけた。トランプ氏はプラットフォームを利用して暴力的な脅しを拡散し、人種戦争をあおろうとしている(そして政治的偽情報を広めようとしている)。同社は表示方法ファクトチェックラベルをトランプ氏のポリシー違反のツイートに適用することにした。

7月には新型コロナのパンデミックに関して命を脅かしかねない誤った主張を行う動画を共有したとして、大統領の息子であるDonald Trump Jr.(ドナルド・トランプ・ジュニア)もアカウントに一時的な制限が適用された。

これはトランプ氏に放つ意図的な警告ショットのようにみえる。つまり、Twitterは公職に就いているため大統領自身を追放するつもりはないかもしれない(未訳記事)が、トランプ氏が一線を越えれば息子を追い出すつもりだ。

Twitterのリンクのブロックに関するポリシーでは、マルウェアやスパムなどの悪質なものに加えて、テロ、暴力、悪意ある行為を含む多くのコンテンツカテゴリーに関連するリンクの拡散を制限するための措置を講じることができるとしている。さらに「当社がブロックするコンテンツを共有するアカウントやリンク共有ブロックを回避しようとするアカウントは、停止を含む追加措置の対象となる場合がある」としている。

Twitterは以前、デューク氏がKKKを去ったため追放の対象とならなかったと述べた(Washington Times記事)。これにより同氏は実質的に悪意あるURLの拠点となる力を得たようだ。巧妙に人間の体裁をとり、同氏のアカウントを利用して憎しみの福音を説くコンテンツへのリンクを広めた。

パンデミックの嵐の中でも密かに恩恵を受けた者がいたわけだ。

似たような右翼のヘイトスプレッダーと同様、デューク氏はTwitterのアカウントで批判者を脅し、嫌がらせをしていた。Twitterで同氏を支持する「ネット荒らしのナチス軍」を個人の中傷に向かわせた。彼らのツイートが大量に報告されることによりTwitterのシステムを騙し、彼らのアカウントが停止されるよう仕組んだ。

言うまでもなく、デューク氏もすべてのナチスと同様、見逃されることはない。

また、Twitter独自のコミュニティ基準への挑戦に関心が集まったのは、7月に行われた「#StopHateForProfit」広告ボイコットの影響であることは間違いない。ヘイトスピーチの排除に失敗したことに対する抗議として、主要なソーシャルメディアプラットフォームで複数の著名な広告主が広告を取り止めた(未訳記事)。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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