TwitterがAPI刷新のテコ入れためにAPI統合化プラットフォームReshuffleを買収

米国時間3月23日、TwitterはAPI統合プラットフォームReshuffleの買収を発表した。人材の獲得が目的的だという。このスタートアップがオープンソースを商用化して得た技術により、デベロッパーはワークフローを構築し、複数のシステムをさまざまなAPIを使って接続することができる。同社はTwitterの買収により解散するが、共同創業者のAmir Shevat(アミール・シェヴァット)氏とAvner Braverman(アヴナー・ブレイバーマン)氏を含む7名のチーム全員がTwitterに加わり、現在、同社で行われている統一APIの刷新工程を加速していくことになる。

新しいTwitter API 2.0が導入されたのは2020年のことで、2012年以降、初めての完全に新しい再構築となり、会話のスレッド化や投票アンケートの結果、ツイートのピン止め、スパムのフィルタリング、より強力なストリームフィルタリング、検索のクエリ言語などの新機能が加わった。また新たな設計によりTwitterが新しい機能をより早くリリースできるようになり、さらに多くの機能を展開できるようになっている。たとえばこのAPIには、新機能としてリプライを隠すツイートの注釈などが加わった。そして最近ではTwitter自身の開発のペースが速くなり、Twitter Spaces(音声によるツイート)の一般公開や、もうすぐ提供されるSuper Follow(クリエイターとファンのサブスクリプションサービス)など、より多くのプロダクトのローンチが水平線上に見えてきた。

関連記事
Twitterが音声によるソーシャルネットワーク機能「Spaces」のベータテストを開始
Twitterが同社初となる有料クリエイターサブスク機能「スーパーフォロー」発表、サービスの構造が劇的に変わる可能性

さらにTwitterのAPIチームは、さまざまなタイプのデベロッパーのニーズを満たすプロダクトの開発に取り組んでいる。たとえば消費者向けアプリのデベロッパーと、企業向けあるいは研究者向けアプリのデベロッパーではニーズが違う。2021年1月にTwitter APIは研究者に公開され、もうすぐさらに多くの機能性が加わることをTwitterは約束している。

関連記事:Twitterが学術研究者向けの新しいAPIプラットフォームを公開

Reshuffleのチームには直ちに、TwitterのAPI加速化努力とデベロッパーツールの開発への参加が求められるだろう。

ReshuffleのCEOであるアヴナー・ブレイバーマン氏には、エンジニアリングと消費者向け技術の両面で20年近い経験があり、スタートアップだけでなくIBMのような大企業でも仕事をしてきた。彼はTwitterのDeveloper Platformのチームに入ることになるが、ReshuffleのCPOであるアミール・シェヴァット氏はこれまで、Twitchのプラットフォーム担当副社長やSlackのデベロッパーリレーションのトップ、Googleの上級デベロッパーリレーションマネージャーなどを務めた人物で、TwitterではDeveloper Platformのシニアメンバーになる。

Twitterの収益事業部とデベロッパープラットフォームのリーダーであるBruce Falck(ブルース・ファルク)氏とSonya Penn(ソーニャ・ペン)氏は、Twitterのブログで次のように述べている。「私たちはReshuffleのチームを仲間に加えることで、投資と意欲を一層強化していく。デベロッパープラットフォームの構築における彼らの体験は、デベロッパーが私たちのプラットフォームに価値を容易かつ迅速に見出すためのツールの構築に寄与し、私たちの仕事を加速し強化するでしょう」。

Reshuffleの既存プロダクトは、この買収の完了から数週間後には閉鎖される。しかしながらチームは、デベロッパーコミュニティ向けのオープンソースプロジェクトのメンテナンスは継続する、とTwitterは注記している。

Reshuffleのプロダクト

Twitterは最近、買収や新規の人材確保に熱心だ。最近のニュースレタープラットフォームRevueの買収はすでに、Twitterのウェブサイトに統合されている日本でも)。他にもTwitterは最近、ソーシャルポッドキャストのBreaker、画面共有のソーシャルアプリSquad、クリエイティブデザインのUeno、そして2020年のストーリー用テンプレートのChroma Labsを買収している。

関連記事
TwitterがオランダのニュースレタープラットフォームRevueを買収、作家が報酬を得る方法を提供
Twitterが買収したニュースレター配信サービスRevue、日本でもさっそくアクセス可能に
TwitterがソーシャルポッドキャスティングアプリBreakerを買収、Twitter Spacesの開発を支援
Twitterがスクリーン共有ソーシャルアプリのSquadを買収
いよいよTwitterがストーリー機能を搭載?テンプレートメーカーChroma Labsを買収

Twitterによると、同社はチームの拡大と仕事の加速化のために、今後も人材獲得に努力していくとのこと。なお今回のReshuffle買収の取引の詳細は、公表されていない。

Pitchbookのデータによると、Reshuffleはこれまで635万ドル(約6億9000万円)の資金を調達しており、その主な投資家はCardumen Capital、Cerca Partners、Maverick Ventures、Meron Capital、Dell Technologies Capital、Engineering Capital、そしてLightspeed Venture Partnersとなる。Pitchbookによると、同社の評価額は1185万ドル(約12億9000万円)だった。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Twitter買収API

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。