事件や事故、災害など、SNSに投稿された動画や画像を、報道機関がニュースなどで取り上げることが増えている。その影には、TwitterやFacebookなどの動画・画像をAIを使って自動収集し、権利処理も行った上で、報道機関向けにいち早く配信するサービスがある。日本ではデータセクションやJX通信社、そしてSpecteeがこうしたサービスを提供している。
そのSpecteeが6月7日、世界規模のニュース配信ネットワーク、AP通信社と動画配信に関して事業提携したと発表した。APが展開する映像配信サービス「AP Video Hub」を通じて、世界のテレビ局や新聞社などの報道機関に、Specteeが収集した映像を提供していくという。APへの映像提供では、国内唯一のコンテンツ・プロバイダーとしての契約になる。
Specteeは、SNSなどに投稿される情報をリアルタイムに収集し、配信するサービス「Spectee」(旧サービス名・Newsdeck)を、現在約100社の報道機関向けに提供。今回のAPとの提携により、権利処理を行った動画を、国内の提携先報道機関だけでなく、世界の報道機関向けに提供可能となる。
Specteeではこれまでにも、日・英・スペイン語など複数言語で、世界中の投稿者との交渉や権利処理、事実確認を行ってきたノウハウがあるとのことで、配信動画は国内のものだけでなく、海外の動画も対象。「世界の報道機関に、安全に迅速にUGC(User Generated Contents・一般ユーザーによるコンテンツ)動画を届けていく」とリリースでコメントしている。
また今後、Spectee独自のネットワークで収集し、自社制作した動画もあわせて配信を予定しているそうだ。