思ったように成長しないPodcastサービスから転身して、ひっそりと始まったサービスだった。それが現在は全世界2億3000万人に利用されるサービスへと成長した。このTwitterが、いよいよ本日上場企業としてのスタートをきった。NYSEにて、ティッカーシンボルTWTRで取り引きが開始されたが、いきなり昨日の設定価格である26ドルを73.5%も上回る45.10ドルの値がついた。完全希釈化後の705,098,594株をベースに考えれば時価総額が318億ドルとなる計算になる。
CNBCなどから、ひと株あたり35ドル程度になるのではないかとか、他にもいろいろな憶測が出ていたが、しばらくの買い気配の中で初値は40ドルから47ドルの間になりそうだという話が出ていた。
この後も値は上がり気味で、瞬間的には50ドルを上回ることにもなった。現在は45ドルあたりを推移している様子。
TWTRの取り引きの様子はTwitter上でもとレンディングトピックとなっていて、初値について盛り上がっていたTwitterは、サービス自身の話題で盛り上がり続けている。
First there was the Twitter whale, now there is the Twitter Loch Ness Monster. http://t.co/n8TGStn1ME—
Ben Thompson (@monkbent) November 07, 2013
(Twitterにはクジラ―sad whale―が住んでいると思われていたけれど、実はネッシーが住んでいたんだね)。
あえて言うまでもないが、今のところ取り引きは非常に順調に進んでいる。今年度における新株の価格上昇率は、Dealogic(via WSJ)によると平均して17%に過ぎないのだ。
Twitterは昨日、IPO価格を1株あたり26ドルと決定していた。当初は$17-$20の範囲を想定していたのだったが、それを$23-$25として、そして26ドルで最終決定にいたったのだった。
Twitterのトップエグゼクティブおよびディレクターたちは、1株あたり26ドルでの計算で32億4000万ドルの資産を獲得することになる。
この1年、企業向けサービスや広告関連でメジャーなテック系企業がIPOを果たしてきた。しかしTwitterこそが、2012年のFacebook上場以来、上場を心待ちにされていたソーシャルサービス企業であった。Facebookの上場にあたっては期待と失望の入り交じるものとはなった。その影響もあって、今回のTwitterの上場が、やや控えめな値付けで行われることになったのだと言う人もいた。そうした人々は、Twitterの株価はもっと高くて当然だったのだと主張している(後知恵はいつも正解を知っているものではある)。
そもそも市場全体が、ソーシャルネットワークに好意的な時期だとも言うことができる。たとえばLinkedInは1株220ドル以上で取引されており、評価額は248億2000万ドルとなる。またFacebookは1210億ドルの評価で、株価は50ドルを少し下回るところで取引されている。この両者および、パートナー企業などの株価や業績への期待などが、Twitter株価の急上昇を支えているとも言えそうだ。
もちろん、Twitterも依然として利益をあげているわけではないにせよ、順調な成長を続けている。2013年9月30日までの9ヵ月間では、売上は昨年比106%増となり4億2220万ドルとなっている。但し純損失も89%増えて1億3390万ドルとなっている。
Twitterがサービスを開始するまで、このような仕組みが必要だとは誰も考えていなかった。しかし上場を迎えた本日、皆がTwitter株に群がっているという状況になっている。
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(翻訳:Maeda, H)