Uberがインドで貸切サービスのパイロットプログラムをスタートさせようとしている。ここでの貸切とはドライバー込みの車を意味し、これはレンタカーとは全く異なるコンセプトだ。
8都市でテスト予定の「Uber Hire」と呼ばれるこの新サービスは、複数のミーティングをこなすためやショッピング・探索目的などで、一日中特定のUberドライバーを予約したいというユーザーのリクエストから生まれたものだと同社は説明する。
このサービスでは、ユーザーは移動ごとに別々の車を呼ぶのではなく、同じ車とドライバーをずっと利用し続け、最後に料金を支払うことになる。料金は通常通り「距離と時間」の組合せで算出されるが、支払は現金でしかできないとUberは話す。
Uberは他の地域でこのようなサービスを提供していないので、貸切のコンセプト自体は同社にとっては新しいものだが、インドでは既に似たようなサービスが存在する。200都市以上で営業しているUberのライバルOlaが、昨年の夏に貸切サービスをローンチしていたのだ。80都市以上で同時にスタートしたOla Rentalsとよばれるこのサービスは、1時間ごとの料金が設定されており、初乗りは2時間もしくは30kmで449ルピー(約750円)となっている。
Olaは声明の中で、同社が「モビリティ業界のイノベーションを先導し、昨年初めてRentalsサービスを導入した」と述べた。
さらにOlaは、これまでに「何十万件」もの予約があったというRentalsサービスを、「近日中に」合計100都市以上に展開予定だと付け加えた。
実はUberは以前、貸切に近いサービスを人気リゾート地のバリ島でスタートし、旅行者や観光客をターゲットに5〜10時間のチャーターサービスを提供している。
Uberは、Didi Chuxingへの事業売却と共に中国から撤退後、インドや東南アジアといった勝機の見込める地域へとフォーカスを移した。そして以前まで中国につぎ込んでいた年間10億ドルもの資金を、Uberは現在この2地域(特にインド)に向けていると言われてる。
また、Uberがインド国内に設立したR&D部門は、Uber Hireの他にも、ウェブ予約や代理予約機能、さらに以前には現金精算やSOSボタンといったインドだけのプロジェクトを行ってきた。
[原文へ]
(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)