Uber(ウーバー)は最終的に収益につながるビジネスモデルに的を絞る中で、6つを超える機能を新たに立ち上げる。ここには、ユーザーがWalgreensでのワクチン接種を予約し、接種会場への乗車を手配できる機能が含まれる。
米国時間4月28日に発表された機能は、Uberが「go get」戦略と呼ぶものの一環だ。新型コロナウイルスパンデミックで14カ月にわたり閉鎖された事業を「ノーマル」に戻すことも意図している。ワクチン予約や、レンタカーを必要な場所にまで持っていくバレットサービス、最大1時間まで待機する空港での乗車の予約、乗車ルートの途中で食品をピックアップするオプションなど、数多くの機能は同社の基幹サービスであるデリバリーと配車に集中している。
2020年初め、同社は空飛ぶタクシーや自動運転車、デリバリー、ライドシェアリング、貨物予約プラットフォーム、電動自転車とスクーターのシェアリングなど広範にわたって事業を手がけ、異なる会社のようだった。2020年、Uberはマイクロモビリティシェアリングの部門Jumpを切り離し、自動飛行エアタクシー事業Uber Elevateを売却した。そしてUber ATG自動運転部門と、ロジスティック部門Uber Freightの一部株式も売った(Uberはこれら事業の株式保有は維持している)。
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しかし配車事業についてはそうはしなかった。同期間、UberはPostmatesとDrizlyを買収し、ライドシェアとデリバリーが収益化に向け最善の道だとしてこの2つの分野に賭けた。同社のGo Getの取り組みはそうした戦略の延長だ。競合他社もそうだったが、新型コロナでライドシェアは減った一方で、デリバリー事業は爆発的に成長した。
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「2020年Uberは2つのことにかなりフォーカスして取り組むプラットフォームに進化しました」と同社のCPOであるSundeep Jain(サンディープ・ジャイン)氏は最近のインタビューで述べた。「この2つは、ユーザーが「行く」のと「手に入れる」のをサポートしています。当社はこのプラットフォームを、ユーザーがどこにでも移動し、何でも入手できるものへと真に進化させました」。
Uberにとってこれは、クルマやスクーター、バス、その他の公共交通など多様な移動手段を使って人々をどこかに「行く」ようにする、あるいはレストランで調理された食品や、最近扱うようになったグローサリー、処方薬、アルコールなどを「入手」するようにするプロダクトの構築を意味する。この「行く」「手に入れる」の方針は同社の商品開発、そして買収戦略にも影響を及ぼしている。Postmates買収でUberはiPhoneすら配達している、とジェーン氏は一例として挙げた。
新たな機能には、Uber Rent with Valetというものがある、これは、米国のユーザーがUberのアプリ内で直接クルマをレンタルできるようにするものだ。レンタカーはユーザーの自宅、あるいは空港などに届けられる。Uber Reserve機能は全米で展開されて、ここにはフライト追跡と最大60分の待ち時間、カーブサイドピックアップが含まれる。
「手に入れる」の面では、同社はPick Up and Goを立ち上げた。ライドシェアのユーザーがピックアップ用の商品を注文をし、最終目的地に向かうまでの間に注文したものを受け取るために立ち寄りを加えることができるというものだ。同社はまた、販売店舗が閉まっているときでも注文できるオプションを含む新しい「スケジュール」ボタンの提供も開始した。配達料金の割増なしで精算時に2つめの販売業者からのアイテムを追加できる機能も加わる。
Uberはまた、ユーザーが利用できるオファー、ディール、割引を表示するお買い得ハブ、アプリ内ノーティフィケーション経由で配達のリマインダーを送る新機能、Eats Passメンバーシップの延長も加えた。
さらには、1回の移動ではなくドライバー付きで数時間クルマを利用できるサービスなど、他の既存プログラムも拡大した。「米国ではあまり普及していませんが、アジアや中南米ではかなり人気です」とジェーン氏は話した。
もちろんこうした取り組みはすべて「収益化」という聖杯を目的としている。そして1年前よりは聖杯に近づいたように見える。2021年4月初め、Uberは2021年に四半期の調整後EBITDAが黒字となるとの予想を維持しているSEC書類を公開した。また、3月のグロスブッキング(受注契約の総額)が同社の12年の歴史の中で月間として最高レベルに達した、と明らかにした。モビリティ事業は年間グロスブッキングランレートが300億ドル(約3兆2583億円)を超え、1日あたりの平均グロスブッキングは前年同月比9%増と2020年3月以来の好成績となった。配達事業はまたも過去最高を記録し、年間グロスブッキングランレートは520億ドル(約5兆6479億円)超と前年比150%増だったとSEC書類にある。
結論:Uberプラットフォームでの総売上という点で3月は過去最高となった。しかし、TechCrunchのAlex Wilhelm氏が最近指摘したように、Uberの配達事業は規模を拡大したが、それでもメインのライドシェア事業より収益性は良くない。総プラットフォーム支出額は過去最高を達成したが、以前よりも儲けの少ない売上高で構成されている。
Go Getプログラムは、配車事業を立て直す新たな方法を模索し、一方で追加のコストをかけずにデリバリー事業を拡大するのが目的のようだ。配車事業は以前、調整後EBITDAで黒字となるなどすばらしい業績をあげていた。
「これまで人気のなかったユースケースである高度な予約商品にユーザーが引き寄せられるのを目にしてきました。以前は大半がオンデマンドでした」とジェーン氏は話した。「ですので当社は、先払いのドライバー配置や高度な信頼性、保険など、ユーザーエクスペリエンスを改善するために意義のある投資を行いました。だからこそ、真に人気のユースケースになった予約に関する大々的な発表を行なっているのです」。
カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Uber
画像クレジット:Uber
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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi)