あなたはダウンタウン高層ビルでの予約したセラピーに向かっている途中だと想像して欲しい。あなたはUberを呼び、セラピーの前に軽食でも取ろうと、目的地近くのコーヒーショップを行き先として入力する。車の中では、Instagramを眺めたり、メールをチェックしたり。車を降りて、コーヒーを買って、角を曲がればセラピストのオフィスだ。
もしアプリの最新アップデートを行っていたなら、Uberはこれらの位置情報の全てを追跡していたことになる。
アプリのアップデート(確かめたい人のために:バージョン3.222.4だ)によって、Uberはユーザーからの位置データの収集方法を変更した。以前は、ユーザーがアプリを開いている間(フォアグラウンドの間)だけ、Uberは位置情報を収集していたが、今やUberはユーザーに、その位置を常に会社と共有するように求めてくる。
Uberによれば、アプリが携帯電話のバックグラウンドで実行されている間、位置を絶えず収集することは可能ではあるものの、その機能は使用しないということだ。その代わりに、Uberは、サービスを改善するために位置データがもう少しだけ必要で、デバイスレベルの権限の都合から、一定のアクセスを求めなければならないのだと主張している。
具体的には、Uberは乗客が乗車を要求した瞬間から、運転手が乗客を降ろしてから5分後まで、その位置を追跡したいと考えている。たとえアプリが携帯電話でフォアグラウンド状態でなくてもだ。以前なら、Uberは、乗車中の乗客のバックグラウンド状態での位置や、降車後の位置を集めたりはしていなかった。
同社はこの情報を降車時と乗車時のサービスを改善するために利用する、そこはずっとUberや他の配車サービスが苦慮している点なのだ。乗客と運転手がコンタクトをとる最も多い理由は、アプリケーションが正確な場所を提供していない場合にコミュニケーションをとるためである。そしてUberはこうした乗車時の混乱を減らしたいと思っているのだ。
Uberははまた、乗客が降車後どれくらい頻繁に通りを直接横断しているのかを追跡したいと思っている、こちらは安全上の問題を示していると同社が考えているからだ。乗客は目的地に達するために道路を横切らなくても良かったはずだ、と広報担当者は説明する。降車後にユーザーを追跡することで、ドライバーが危険な場所に乗客を降ろしたかどうかを判定するのに役立つのだ。
「ETA(到着予測時刻)をより正確にし、特定の通りにおける最適なピックアップ位置を特定することで、私たちはお客さまの体験を向上させる方法を常に考えています、位置情報はUberの経験の中心であり、乗客の皆さまに、これらの目標を達成するための情報提供を求めているのです」とUber広報担当者は述べている。
バックグラウンドでの位置データの新しい収集は、乗客にとっては驚くようなものかもしれないが、Uberは昨年この変更のための基礎固めを行っている。同社は昨年の夏にプライバシーポリシーを更新して、バックグラウンドの位置情報収集を可能にしたために、プライバシーグループからの反発と、連邦取引委員会(FTC)への訴状を受けている。
Uberはバックグラウンド位置データによって「新しい有益な機能を提供できる。例えばユーザーがアプリを開いた際により早く立ち上がる(現在はアプリを開いてから周辺の乗車可能な車が表示されるまでには遅れがある、これはアプリが現在地を特定しようとしているからだ)」とその時に語っている。最新のアプリのアップデートにより、Uberはついに昨年のプライバシーポリシーの変更を活かしたことになる。
Uberに対する訴状をFTCに提出した電子プライバシー情報センター(The Electronic Privacy Information Cente)は、提案されたバックグラウンド位置情報収集を「違法で欺瞞的な商取引」と呼んでいる。しかし、Uberはバックグラウンドの位置収集を開始する前にユーザーの同意を得ており、また乗客がGPSの許可を求められる際に変更点を説明するページへのリンクを示していると主張しいている。
1月にニューヨーク州検察局は、プライバシー・グループが提起した問題のいくつかを取り上げ、Uberとの和解に達した。合意事項として、Uberはユーザーの位置情報を暗号化(携帯電話から、及びUberのサーバー同士での送信時)することが求められ、同社によって保存されるGPSデータは多要素認証で保護されなければならいことになった。
しかし、乗客の中には、Uberの車を降りた後や、バックグラウンドでアプリが起動している間に、位置情報を追跡されることを不快に思う人もいるかもしれない。 Uberと余計な位置情報を共有したくない人は、携帯電話の設定で位置情報共有をオフにすることができる。その場合、続けるためにはUberが場所を知る必要がある、といった告知が表示されるものの、ピックアップのための住所は手入力で行うことができる。
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(翻訳:Sako)