Uber(ウーバー)は、8500通を超える仲裁要求を受け取ったことを発表した。Uber Eatsが一部の黒人所有レストランの配達費用を免除した結果だ。
Uber Eatsは今年6月、警察官が武器を持たない黒人男性ジョージ・フロイド氏を殺害したことを巡る人種平等抗議運動を受けてこの変更を行った。Uber Eatsは米国、カナダの顧客が黒人経営ビジネスを支援する簡易な方法を提供したかったと語った。対象となるためには、レストランが小規模から中規模、すなわちフランチャイズに加盟していないことが条件になる。一方、他のレストランについては今も配達費用が設定されている。
TechCrunchが確認した要望書の一つで、ある顧客はUber Eatsが「(事業主の)人種に基づく差別的な配達費用を課している」ことでウンルー市民権法に違反していると主張している。その訴えは1万2000ドルの支払いおよびUberの黒人所有レストランへの無料配達提供を禁止する恒久的差止命令を求めている。
「私たちはこの取組みによって黒人経営ビジネスを支援することを誇りに思っています。彼らがこの健康危機の影響を不相応に被っていることがわかっているからです」とUber広報担当のMeghan Casserly氏がTechCrunch宛の声明で語った。「消費者からもこれが欲しかったしくみだという大きくて明瞭な声が届いています。私たちは今後も最優先に取り組んでいきます」
抗議するウェブサイトでは、カリフォルニア州で2020年6月4日以降に配達日を支払った対象者は最大4000ドルの補償を受ける資格があると顧客に呼びかけている。
こうした仲裁要求は特別珍しいことではなく、Ted Cruz(テッド・クルーズ)上院議員はUberが黒人所有以外のレストランから差別訴訟を起こされると予想している。
さらに注目すべきなのは、不服申し立てしている顧客リストの代表を務める法律事務所、Conovoy McCarthyにはドナルド・トランプ大統領の弁護士であるウィリアム・コンソボイ氏らが所属していることだ。
TechCrunchはConsovoy McCarthyに連絡とっており、情報が入り次第本稿を更新する予定。
こうした不服申立はMicrosoft(マイクロソフト)が直面している一件を思い起こさせるが、規模はそこまで大きくない。10月に米国労働省はMicrosoftに対し、白人支配の企業がより多くの黒人を雇用したことを、「逆人種差別」(そんなものはない)であるとして実質的に訴追した。
ちなみにこれは、Uberが最近抱えている数多くの法廷闘争の一つにすぎない。Uberビジネスの労働者側に関して最近カリフォルニア州控訴裁判所判事は、UberおよびLyft両社に対して労働者を従業員として再分類することを強制する恒久的差止命令を発行する裁定を支持した。これは、Uber、Lyft、DoorDash、Instacartが支援し、ギグワーカーの個人事業主としての分類継続を目論むカリフォルニア州条例提案22(Proposition 22)に大きな注目が集まることを意味している。
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画像クレジット:Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images / Getty Images
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )