Canonicalが今日(米国時間4/21)、Ubuntuの次のバージョン、15.04 Vivid Vervetは木曜日(4/22)からダウンロードできる、と発表した。このバージョンにはデスクトップユーザのための新しい機能が二つあるが、しかしいちばん重要なアップデートはサーバのデプロイメントまわりだ。
かねてから知られているように、UbuntuはクラウドコンピューティングプラットホームOpenStackのサポートに力を入れている。今回のバージョンには4月30日リリース予定のOpenStackの次期バージョン、愛称“Kilo”のプレリリースバージョンが含まれている。この新バージョンには、ネットワークスタックと、連合アイデンティティ(identity federation, ID連携)サービスのアップデートが含まれる。
Ubuntuの15.04にはまた、OpenStackと互換性のあるCanonical製のコンテナハイパーバイザーLXD(Linux Container Daemon)が含まれ、コンテナのデプロイメントを助ける。同社はこのハイパーバイザーを昨年11月にパリで行われたOpenStack Summitで発表したが、これもDockerなどのコンテナ技術と同じく、LXC(Linux Containers)がベースだ。
Canonicalの主張によると、LXDは“Dockerのスピードと効率性をそのまま生かした完全な仮想化体験”を提供する。
つまりLXDはデベロッパに、これまでの仮想化体験と新しいコンテナ技術の両方へのアクセスを与える。LXDに対する初期の反応ではDockerのコンペティタ視されたが、仮想環境としてのLXDはDockerコンテナを動かすためにも利用できるため、両者の“競合”はあくまでもデベロッパのマインドシェアとコンテナ管理ツールのイシューであり、コンテナのアーキテクチャのレベルのイシューではない。
Ubuntuのこのニューバージョンは、CanonicalのSnappy Ubuntu Coreの安定バージョンが提供される初めてのUbuntuバージョンでもある。この、不要なものをすべて削ぎ落とした最小構成のオペレーティングシステムは、コンテナのホストや小型のインターネット接続デバイス用に使われることを想定しており、本誌でも過去に取り上げたことがある。