Vineの共同創業者が、2019年春にその後継アプリByteを立ち上げる予定

その存在を愛され、喪失の際には大いに嘆かれた、ショートビデオプラットフォームのVineが帰ってくる。まあ「そのようなもの」としてだが。Vineの共同創業者のDom Hofmannは、本日(米国時間11月8日)Twitterに、その精神を受け継ぐシステムが来春に登場すると発表した。

その詳細は?あまり詳しくはわかっていない。だがHofmannはその名前は明かした ―― Byteだ。そしてロゴも同時に発表された。発表から想像されることは、このシステムはVineと似たような動作をすることだ。すなわち短くループする動画である。これまでのところ、専用ドメインとあまり格好いいとは言えないソーシャルメディアのアカウントが用意されている。

Vineを買収したTwitterは、2年前の2016年にそれを無造作にシャットダウンした。Vineによる投稿ビデオが、YouTubeのようなかつて競合相手に対して、まだ十分に対抗できていることを考えると、長い歳月を経ても、このシステムへの欲求があることは確かなように思える。なかでもHofmannは、明らかに6秒動画というアイデアには、まだ可能性が残されていると信じている。

彼はこれまでも自分自身で後継サービスを立ち上げることを口にしていたが、それは当初V2と呼ばれていた。彼はそのサービスのロゴを発表し、その内容を詳しく説明することさえした。だが今年の初めに、Hofmannは開始を延期することを発表し、現時点に至るまで、その計画について耳にすることはない。こうしたことが、Byteの実現性に対して疑念を抱かせたとしても無理のないことだろう。

私たちも不安だった。そしてVineの後継プロジェクトが現実のものであると宣言する前に、単なるロゴとランディングページ以外のものを見たいと考えた。実際にどの程度の進捗があるのかという私たちのツイートへの返信として、彼は資金、チーム、そしてプロダクトを確保したと主張している

この返信でも、まだ沢山の疑問は残されている。誰がチームに参加しているのか、プロダクトはどのように動作するのか、そして資金はどこから来ているのか。最後のものはサービスを立ち上げようとする初期に問題になるものだ。一方、Byteという名前は、Vineに続いてHofmannが開発した、かつてのツールの名前から拝借している。

彼の会社であるInterspaceとByteは、この新しいビデオアプリにどのように取り組んだのだろうか?HofmannはTechCrunchに「私たちはInterspaceにおけるこれまでのプロジェクトを一時中断し、現在はチーム全体でこのことに取り組んでいます。InterspaceはVCから資金提供を受けていて、私自身も多少投資を行っています」と語った。

このような初期段階でこのことが話題になるのは、Vineが比較的少ないユーザー数だったのにもかかわらず、非常に大きなインパクトを社会に与えたからである。多くの人気のあるミームたち、後のYouTube/Snapchat/Instagram/Musicallyのスターたち、そしてスポンサー付きの熱狂的なソーシャルコンテンツが、みなこのアプリから生み出されたのだ。Vine 1が閉鎖されたときに多くの悲しみが溢れ返った事実は、もしByteがそのコミュニティの熱気を提供できたらなら、若者たちがまたDomの所に戻ってくるかもしれないと思わせる。嫉妬と虚構を生み出すということに対してソーシャルメディアがますます攻撃されるようになっていた時代に、Vineは純粋なエンターテイメントだった。それが別の名前の下で復活できるかどうかは、見守る価値があるだろう。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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