VMwareが今日(米国時間8/26)行われたVMworldカンファレンスで、VMware vSphere 5.5とVMware vCloud Suiteの一般公開を発表した。同社の仮想化技術のこれら新バージョンは、Cloud Foundryを統合している。そしてこのPaaSは今では、VMwareの親会社EMCからのスピンオフPivotalの一部だ。
Cloud FoundryはVMwareを代表する製品だったが、これからはそれは、PivotalがVMwareのために構築するプラットホームとなり、新たなクラウドプロダクトvCloud Hybrid Servicesに統合される。それはPivotal CFと通称され、今年の終頃にVMware vSphereとvCloud Hybrid Servicesの上で可利用となる。vSphereは、クラウドコンピューティングのための仮想化管理ツールの、従来よりも強化された集合だ。vCloud SuiteはvSphereを管理して、企業がエラスティシティ(伸縮自在性)を確保するために行うリソースのプール(保蔵)を助ける。
VMwareのCEO Pat GelsingerはとくにvSphere 5.5の戦略的な重要性を強調し、同社はこれを軸に“ソフトウェア定義デザインセンター(software defined data center)”におけるリーダー的な存在になる、と述べた。vSphere 5は、そのようなアーキテクチャのコンピューティングの側面を表す。その仮想化ストレージは、“仮想SAN(virtual SAN)”と呼ばれるストレージサービスへラップされ、またネットワーキングは今日ローンチしたネットワークハイパーバイザーNSXに体現される。以上の全体として、基本的な概念は、必要に応じ、リソースをプールしクラウドをレバレッジすることだ。
新バージョンのvSphere SuiteとvCloudはVMwareのvCloud Hybrid Servicesに統合される。vCloud Hybrid Servicesは、新たな投資の対象となった新データセンター(カリフォルニア、バージニア、やがてダラス)からサーブされるIaaSだ。マネージドホスティングサービスSavvisも、やはりvCloud Hybrid Servicesからサーブされることになる。
VMwareが今後とくに注力するのは、顧客のデータセンターとVMwareのハイブリッドサービスとの密接な統合だ。そしてすべてが、同社の仮想化技術の上で動く。AWSとの互換性は提供しないので、利用者として、VMwareとAWSの使い分けをするのは難しい。VMwareへの一本化を、ほぼ強制されることになる。単純にVMwareの外向きサービスに接続するだけだから、簡便でもある。ただし、その利用料の“お安さ”ではAWSにかなわないだろう(VMwareはまだ料金体系を発表していないがAWSのような低価格にはならない、とすでに言っている)。
VMwareの、OpenStackへの賭け高は、vSphereがそれを統合することによって一層増した。オープンクラウド運動の旗手Niciraにも手厚く投資をしているので、今後の統合も考えられる。
VMwareの役員の一人が記者会見で、OpenStackを、ホームシアターシステムを買うことと比較した。VMwareをワンパッケージとして買えば、 vSphereとハイブリッド化vCloudがついてくる。しかし顧客は、そうせずにVMwareの技術でOpenStackを使うこともできる。どっちにするか、だ。
すでにOpenStackでクラウドの構築を始めている顧客も少なくない。Cloud Foundryも市場ではわりと広く受け入れられているが、しかしどのソリューションもまだ、コンサルタントが仕事をしやすいプラグアンドプレイタイプではない。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))