Oculus、GearVR、Playstation VRなどのVRヘッドセットが出揃い、利用できるコンテンツも増えてきた。ただ、まだVRの世界と関わる最適な方法はまだ出てきていないように思う。OculusにはTouchコントローラーがあり、Playsation VRにはPlaysation MOVEコントロラーがあるが、VRのの世界を楽しむのに手にコントローラーを持っていては、完全に没入的なVR体験にはならないだろう。H2Lが開発する「UnlimitedHand」は、腕に巻くだけでVRゲームとのインタラクションを可能とするデバイスだ。本日H2Lは、総額2億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。引受先は、ソニーのCVCであるSony Innovation Fundと環境エネルギー投資だ。
UnlimitedHandはモーションセンサーと手指の動きを推定する筋変位センサアレイの技術を搭載し、ユーザーの手の動きをVRに取り込むことができる。また、このデバイスは入力のみならず、電気刺激を筋肉に与えることで、ユーザーに擬似的な触感を与えることもできる。これによりユーザーは、コントローラーなしでVRの中の物に関わることができ、その時の触覚や衝撃を感じることができる。
H2Lは2012年に設立し、岩崎健一郎氏が代表取締役を務めている。立ち上げ当初は電極を仕込んだベルトを腕に巻き、筋肉に電気刺激を与えて手指を操作する「PossessedHand」に着手していて、これを2013年に製品化している。PossessedHandをよりコンシューマー向けの製品として仕上げたのがUnlimitedHandだ。2015年9月にUnlimitedHandのKickstarterキャンペーンを実施した際には、およそ7万5000ドルを集めることに成功した。H2Lは2015年のTechCrunch Disrupt、そして同年11月に開催したTechCrunch Tokyo 2015にも出展している。現在は、Amazonで製品を販売している。価格は3万5000円だ。
今回、調達先にソニーのCVCが入っているのは興味深い。将来的にソニーが開発するPlaystation VRでもUnlimitedHandが使用できるようになれば、VRゲームはハンズフリーでさらに没入感あるものになりそうだ。