ライブストリーマーがプレイしていた世界をVRユーザーが探検できる、野心的なゲームストリーミングプラットフォームのVrealがベンチャーキャピタルから1500万ドル(約16億円)を調達した後に閉鎖し、スタッフをレイオフする。この情報は同社のウェブページ上に掲載された。
シアトルベースのVrealは、Axioma VenturesやUpfront Ventures、Intel Capitalなどの投資家から資金を調達していた。同社は2018年初旬にシリーズAで1170万ドル(約12億円)を調達している。
Vrealの技術は、ゲームストリーマーが自分のいるVR世界の3D環境を共有することを可能にし、ユーザーがアバターとなってストリーマーの周りを歩き回ったり、ライブストリーマーのプレイを聞きながら観察者として探検ができる。
2015年に設立されたこのスタートアップは、ライブストリーミング技術によりここ数年のVR業界でもっとも誇大広告された企業だった。昨年のはじめにシリーズAを終えた時点で、彼らのプラットフォームはまだアルファ版前の段階だった。なお、プラットフォームは数カ月後の6月にEarly Access on Steamにてローンチされた。
Vrealの空っぽのウェブサイトに掲載された「新たな現実への移行…」というブログ投稿には、「残念ながら、VR市場は我々が期待していたほどには急速に成長せず、一方で我々は確かに時代の先を行っていた。その結果、Vrealは業務を停止し、我々の素晴らしいメンバーは別の機会へと移行することになった」と記載されている。
シリーズAの発表後に私が指摘したように、Vrealのプラットフォームは「VRハードウェアを持っている視聴者向けにVRハードウェアによるストリーミングサービスを提供するという、非常にニッチなプロダクト」であった。VRハードウェアに関する同社の宗教的忠誠心は、コンテンツを楽しんだり制作するための唯一の方法であり、プラットフォームへのリーチの方法を制限しすぎたのだろう。2カ月前、同社は実験的なウェブブラウザをプラットフォームに追加してリーチを広げると発表したが、その動きは小さすぎ、そして遅すぎたようだ。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)