Y Combinatorで育ったWebスクレイパー、Kimono Labsは、ユーザーであるデベロッパーが自分でスクレイパーを書かなくてもWebサイトから情報をかき集めてくれる。その同社がこのほど、 政府省庁などを顧客とするデータ分析サービスPalantirに買収された。
その発表は今日(米国時間2/15)、同社のWebサイトで行われ、Kimonoの協同ファウンダーPratap Ranadeが本誌に買収を確認した。買収の価額等は両社とも公表していないが、Kimonoは2014年に約500万ドルを調達している。
Kimono Labsによると、現在の同社のデベロッパー顧客は12万5000という。ただし、どれだけがアクティブユーザーかは、分からない。Plantirへの移行作業は2週間ほどで終わるので、Kimonoはそのサービスを2016年2月29日に閉鎖する。ただしユーザーの移行に関しては、現時点では不透明な部分がある:
同社の説明では、“Plantirにおけるわれわれの新しい役割ために、これまで一般公開されていたKimonoのクラウドサービス(SaaS)の提供を、そのまま続行することはできない”、ということだ。
こんな簡単な告知だけであっさりとサービスを閉鎖する、詳しい理由についてRanadeに尋ねたが、彼はコメントすることを拒否し、“弊社の顧客に関しては真剣に配慮している。しかし今、私自身から詳細を言うことはできない”、と言った。
クラウドはだめでも、OS XとWindows用の無料のデスクトップバージョンは使用できる。同社によると、それらはクラウドからのバージョンと機能的には同じであり、今後同社は、そのデスクトップアプリケーションをFirebaseに統合して、クラウドからのAPIのエンドポイントを提供する。デスクトップバージョンのユーザーは3月31日までに、新たにホストされるサービスからAPIをインポートすること。
あるいはKimonoに代わるWebスクレイパーサービスとして、ScrapyやFeedityなどを使ってもよい。Palantirは買収した企業を閉鎖することが多いから、今日の結果は意外ではないが、言うまでもなくこれは、これまでKimonoのサービスを自分のアプリケーションに統合していたデベロッパーにとって理想的な状況ではない。