Weebly創業者のCEOがTechCrunch Tokyoに登壇! 1500万サイトが利用するYCの優等生

TechCrunch Tokyo 2013が約1カ月後に迫ってきたが、海外ゲストスピーカーとして「Weebly」(ウィーブリー)の創業者でCEOのDavid Rusenko氏をお迎えすることができたのでお知らせしたい。

日本だとWeeblyと聞いても、もうひとつピンと来ない人もいるかもしれないが、ブラウザベースのWebサイト構築サービスの分野では、英語圏を中心にきわめて高い人気を誇っている。

「高い人気」というのがどのぐらいかというと、2012年のNetcraftの調査では北米のアクティブなWebサイトのうち2%がWeeblyで制作・メンテンスされていて、毎月全米ネットユーザーの15%がWeeblyベースのWebサイトにアクセスしているというリーチ率の高さとなっている。2013年現在、Weeblyで構築されたサイト数は1500万という。

Weeblyは2006年に創業した、Y Combinatorの2007年の卒業組として知られる。当時流行の兆しを見せていたAjax(なんか懐かしい言葉だね!)を活用したブラウザだけで完結するオーサリングツールとして「HTMLを1行も書かない層」に受け入れられ、今もまだ成長中だ。過去7年間、着々と新機能や外部サービスとの連携を進めてきて(TechCrunchのWeebly関連記事一覧はこちら。タイトルだけでも眺めてみてほしい)、いまも急速に成長している。TechCrunchが最近報じた数字によれば、2011年に19人だった社員数は2014年までに600人に増員する計画で、広い新オフィスへと引っ越したばかりという。

WeeblyのRusenko氏が指摘するのは、今でもまだ多くの人は「インターネットに参加していない」ということだ。レストランや個人商店のような、いわゆるスモールビジネスとか、ギャラリーを持つほどでないアーティストなどの多くは、今もまだインターネット上に存在していないに等しい状態で、こうした層の市場は大きい。Weeblyの競合サービスとしてイスラエル発のWixも3700万ユーザーを抱えるなど、あまり目立たないジャンルだが、実は大きなマーケットが存在している。

Webサイト構築といえば、WordPressやJoomla、DrupalといったCMS系のツールも人気が高いが、Weeblyがこうしたツールと違うのは、サーバ設定の手間もHTMLの知識も不要である点だ。もちろん独自ドメインもサイト構築の流れの中で統合されていて、ワンストップで取得・運用ができる。モバイル対応や写真・動画ギャラリー、ブログ設置、SEOサービスの併用、カートや決済サービスのつなぎ込み、問い合わせフォームやフォーラムの設置など、ほとんどのことが自前でできるサービスである点だ。画像アップロードはドラッグ&ドロップできるだけでなく簡易画像エディタもブラウザで利用できる。WeeblyはBookFreshというオンライン予約設定サービスと協業していて、ヘアサロンだとか歯医者であれば、オンライン予約受け付け機能まで作れてしまう、と徹底している。

Weeblyがdisruptしているのは、WordPressなどのツール群そのものではなく、それを使ってスモールビジネス向けのサイト構築をしている労働集約型の請負型ビジネスだろうと思う。Weeblyのサイトを使ってみれば分かるが、「どんなサイトを作りたいのか?」「どんな要素を入れるべきなのか?」といった質問にウィザード形式で答えていく形でサイト構築ができる。動画による説明もあり、サイト構築業者の役割をサービス自体で果たしているような印象だ。

そんなWeeblyを立ち上げたRusenko氏は、ペンシルバニア州率大学在学中の2006年に起業していて、まだ20代。Forbesが選ぶ30人の30歳以下の起業家・イノベータ「30 under 30」に2011年と2012年の2年連続で選ばれている。

Weeblyはサービスローンチ後は鳴かず飛ばずの時期が長く続いたという。フリーミアムモデルで黒字化してビジネスモデルが完成した、といえるようになるまで35カ月かかっているという。その間、プロアカウントサービスによって収益は増えつつあったものの、資金が底をついて公共料金などの支払いに困る事態になったこともあった。その彼が、起業家に向けたある講演の中で、こんなことを言っている。「多くの人が6カ月でプロダクトを作り、ローンチして2カ月で諦めたりする。だけど、本当に素晴らしい会社を作るには人生のうちの7年とか10年とかかかったりするんだ。途中でやめたら成功なんてできないよ」。

Weebly創業者でCEOのDavid Rusenko氏は11月12日、TechCrunch Tokyo 2013でご講演いただく予定だ。今ならまだ早割チケットに間に合うので、来場をご検討頂いている方には、ぜひ今のうちにご購入いただければと思う。

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投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。