ユーザー100万人で2018年初めにインドで決済サービスのテストを開始したWhatsApp(ワッツアップ)は、世界第2位のインターネットマーケットである同国でいよいよ決済機能をより多くのユーザーに提供できるようになった。
広く使われているUPI決済インフラを展開するインド決済公社(NPCI)は11月5日夜、WhatsAppがUPIで動く決済をインドで提供することを承認したと明らかにした。
Google(グーグル)やSamsung(サムスン)、その他多くの企業と同様、WhatsAppもUPIの上に決済サービスを構築している。UPIはインドの大手銀行の連合が構築した決済インフラだ。NPCIは、インドでユーザー4億人超を擁するWhatsAppが決済を「段階的」に自社サービスのユーザーに広げることができ、手始めに2000万人への提供と複数行との協業が可能だと述べた。
インドのWhatsAppの広報担当は、コメントの求めにはすぐには応じなかった。
現在、グーグルとWalmart(ウォルマート)がインドのモバイル決済マーケットを独占していて、2社のUPIマーケットシェアはおおよそ80%だ。部分的には2016年後半のインド政府による紙幣流通の85%超を無効にする突然の動きのおかげで、UPIはインドで最も人気のデジタル決済手段となった。UPIの人気は、モバイルウォレット構築に何年も費やしたSoftBank(ソフトバンク)やAlibaba(アリババ)が支援するPaytm (ペイティーエム)を含む複数の企業の存在をかき消した。
WhatsAppはインドで2018年初めに決済を展開し始めたが、その後すぐに2年半におよぶ規制の迷路に入り込んだ。同国のさまざまな機関がユーザーの決済データについて、そしてFacebook所有のサービスが決済アプリにかなりの影響力やアドバンテージを持つかもしれないという懸念を表明したからだ。
NPCIによる11月5日の発表は、1つのアプリが1カ月にUPI決済の30%超を処理することがないよう、サードパーティのアプリに上限を設けると明らかにした直後にあった。WhatsAppが、ユーザー数では世界最大のマーケットであるインドで規制問題においてかなりの困難を抱えていたことは明らかだ。他のアプリに規制を設けるというNPCIの計画はゆくゆくはなんらかのかたちでWhatsAppにプラスに働くはずだ。しかしそれはまだ先のことだろう。
Credit Suisseによると、インドのモバイル決済マーケット規模は2023年までに1兆ドル(約104兆円)に達すると予想されている。
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(翻訳:Mizoguchi)