Microsoftにとって良いニュース:HTCの新型Windows Phone端末、One(M8)が、米国4大キャリア中少なくとも3社に採用される。
Microsoftにとって悪いニュース:Kantarのデータによると、Windows Phoneの中国におけるシェアはコンマ以下。そこはMicrosoftがデジタルアシスタントのコルタナに、言語やニュアンスを覚えさせるべく大きく投資した国だ。この投資が直ちにどんな消費行動を引き出せるかは定かでない。
世界を見渡すと、Windows Phoneの悲喜交々の様子がKantarのデータから読み取れる。ドイツではダウンだがスペインではアップ。イタリアではアップだがフランスとメキシコではダウン。米国は横ばい、そして中国では低調。
これを総合的に解釈しようとすることは、バラバラにプロットされ点からグラフを作るのに似ているが、少なくともHTCのニュースのおかげで、Microsoftが国内シェアを拡大し、最新のNokia端末販売にも、かつてない後押しになると考えるのは理にかなっているだろう。海外は低調のようだ。
一歩前進、一歩後退。
すべては、Windows Phoneプラットフォーム自身の未来というコンテキストと一致している。HTCは、同社の新型Windows Phone端末を、”The HTC One (M8) for Windows” と呼ぶことで市場を後押ししている。これは優れたスローガンかもしれない。
Microsoftは、Windows PhoneとWindows RTオペレーティングシステムの融合を進めている。本家Windows 9がMetro要素を持つデスクトップ水準のOSなら、Windows RT+Phoneは、Metro中心のタッチを重視したOSであり、デスクトップは全く考えられていない。タブレットやスマートフォンがターゲットだ。
ZDNetのMary Jo Foleyによると、後者は今年中に出てきそうにない。Windows 9のプレビュー版は9月30日に公開が予想されるが、Phone+RTのプレビューは2015年の1月または2月だという。
言い換えれば、新モバイルOSは2014年のホリデーシーズンに間に合わない。
というわけでわれわれは一種の待機状態にある。どうやらMicrosoftが現状のソフトウェア構成で、スマートフォンの市場シェアを拡大することはなさそうだ。
そしてそれと同時に、このプラットフォームは、まだまだ大いに〈存続中〉だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)