WOVN.ioが新たに3億円を調達、凸版印刷との提携でオフラインの多言語化にも展開を図る

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ウェブサイトの多言語化サービス「WOVN.io(ウォーブンドットアイオー)」を手がけるミニマル・テクノロジーズは、本日総額3億円の資金調達を実施したことを発表した。SBIインベストメントがリードインベスターを務め、凸版印刷、SMBCベンチャーキャピタル、アドウェイズも出資している。また、資金調達と共に凸版印刷との業務提携を発表した。パッケージや印刷物を手がける凸版印刷との提携でオフラインとオンラインのシームレスな多言語化ソリューションを実現していくという。

WOVN.ioのサービスの特徴は、どんな複雑なサイトでも簡単に多言語化できることだ。日本語サイトを英語や中国語にも対応させるためには、開発の時間もコストもかかる。サイトにページや文言を新しく加えたのなら、多言語化したページにもその部分を翻訳して反映するなどの運用もしなければならない。WOVN.ioでは、サイトに仮想的なHTMLページを追加することで別の言語のサイトを作成することができるという。

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WOVN.ioを利用するには、まずWOVN.ioのスニペットコードをサイトのHTMLのヘッダーに挿入し、WOVN.ioのダッシュボードでURLを読み込んで、言語を選択する。ダッシュボードには抽出したサイトの文字情報を表示し、その隣に機械翻訳でテキストが選択した言語に変換される(現在は27ヶ国語に対応)。ダッシュボードでは、翻訳内容をより自然な表現となるよう修正したり、文字サイズを変更するなどレイアウトを修正したりすることが可能だ。また、プロの翻訳者に翻訳を発注することもできる。文言が揃ったら公開ボタンを押すと多言語化が完了する。

2014年3月に設立したミニマル・テクノロジーズは、インキュベイトファンドから約3000万円のシード投資を受け、2015年9月にはオプトベンチャーズ、ニッセイ・キャピタルから総額1.3億円を調達している。

ミニマル・テクノロジーズのファウンダーでCEOの林鷹治氏

ミニマル・テクノロジーズのファウンダーでCEOの林鷹治氏

今回の資金調達では主にマーケティングを強化したい考えだとミニマル・テクノロジーズのファウンダーでCEOの林鷹治氏は話す。WOVN.ioは2014年6月にサービスをローンチし、これまでに8000社近い企業の利用があるという。リクルートホールディングス、東京急行電鉄、エイチ・アイ・エス、バンダイといった大手企業の利用もあるという。海外からのアクセスがあると分かっているクライアントがWOVN.ioの多言語化を活用していると林氏は説明する。「ウェブサイトを制作している会社は、アナリティクスを見て、どこの国の人がサイトを見ているかを当然知っていました。しかし、サイトの中国版や英語版を追加するにはコストがかかるため、試すに試せなかったのです」。低価格なWOVN.ioを導入し、サイトを多言語化することでコンバージョン率の向上につながっていると林氏は話す。今後はマーケティングを強化し、国内、そして海外でもサービスを訴求していく計画だという。

また今回の資金調達と合わせて、凸版印刷とは業務提携を発表している。凸版印刷でも印刷物や看板などの多言語化を行っているが、今回の提携でオフラインとオンラインの多言語化をシームレスに行えるソリューションを構築するという。例えば観光案内など看板やポスターなどのオフラインの制作物とオンラインで情報発信しているサイトがある場合、どちらも一括で管理することで表記の揺れを防いだり、何かを追加した場合にもどこも同じように反映したりすることができるようになると林氏は説明する。

今後の展開として、WOVN.ioでは3つの面でサービスを拡充させていく計画だと林氏は話す。1つは配信メールの多言語化を始め、エンタープライスが利用しやすいようにサービスのUXを改善すること。2つ目は言語ごとのアナリティクスを提供し、データをマーケティングに活用できるようにすること。そして3つ目は、WOVN.ioの利用企業にはECや予約サイトなども多いが、そのサイトに関連する決済や配送、カスタマーサポートの領域にもサービスを広げることだという。そのためにも直近では開発とマーケティング人員の強化を図っていくと林氏は言う。

世界中にあるウェブサイトの30%近くがWordPressのCMSと言われているが、WOVN.ioの目標はWordPressと同じように広く使われるサービスとなり、多言語化があたりまえとなる世界を実現することと林氏は話している。

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TechCrunch Japan

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