推定50億ドル相当の処方薬が毎年焼却され、下水に流され、あるいはゴミに捨てられている。約20億ドル分の薬が長期療養施設の棚で有効期限が切れるのを待っている。シカゴ大学の研究者の調べによる。
これはとんでもない無駄だ。処方薬はこの国の医療システムにおける最大の費用負担の一つであり、米国の4世帯に一つがその処方薬を買えないでいることを考えればなおさらだ。
SIRUM(Supporting Initiatives to Redistribute Unused Medicine:未使用医薬品再配布支援イニシャティブ)は、Y Combinator出身の非営利組織で、スタンフォード大学ハースセンターで運営されている。特許出願中のソフトウェアプラットフォームは、薬局および医療施設のための一種のオンデマンド在庫システムとして働き、使われることのない医薬品を、処方薬を買うお金のない患者に再配布する。
法は州ごとに異なるが、現在42州およびグアムに「善きサマリア人」プログラムとして、未使用の有効期限内医薬品を、有効な処方箋を持つ低所得患者に寄贈する何らかのしくみがある。州運営による医薬品寄贈機関や、Dispose My Medsのように地域ごとに未使用医薬品を寄付できる場所を探す第三者プログラムもある。
SIRUMは、医薬品寄贈機関、薬局、養護施設および医療機関と協力することによって、ピアツーピア再配布プラットフォームとして運営される。それぞれの組織は、余剰品や必要な薬品をプラットフォームにアップロードして、その時必要としている患者のマッチングを探すことができる。
SIRUMの共同設立者、Kiah Williams、George Wang、Adam Kircherの3人は、彼らのサービスが2011年に再配布した未開封有効期限内の薬品は、およそ300万ドルに相当し、2万人の低所得患者に配られたと推定している。
Y Combinator、Robert Wood Johnson Foundation、Draper Richards Kaplan FoundationおよびGoogle.orgから資金協力を得ているSIRUMは、現在カリフォルニア、オレゴン、コロラドの3州で運営している。将来は全50州に展開する計画だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)