Y Combinator初のアジア人卒業生、Strikingly創業者も来日講演!

シリコンバレーのシードアクセラレーターとして著名なY Combinatorは、Airbnb、Dropbox、Heroku、redditなど、キラ星のようなスタートアップを輩出している。Y Combinatorは、有望な若手起業家を募り、3カ月という期間で一気に「同期生」たちとプロダクト作りをするスタートアップ養成学校のようなスタイルで知られる。日本国内でもOnlab、MOVIDA JAPANなど、起業ノウハウを仲間で共有し、起業家のための人的ネットワーク作りを助けるシードアクセラレーターが登場しているが、Y Combinatorは、こうした起業支援スタイルの先駆けだ。

YC卒業生には成功した起業家が多く、そうした起業家たちや個人投資家などとコネクションが作れることなどから、YCから投資を受けることは金銭的メリットよりも大きなメリットがあるという。

その一方で、YCは競争率3%という狭き門。それにアジア人(中国人)として初めて通過して、YCに採用されたのがStrikingly創業者でCEOのDavid Chen氏だ。

TechCrunch Tokyo 2013に、そのDavid Chen氏が登壇することが決まったのでお知らせしたい。以前TechCrunch Japanでもインタビューを記事にしたことがあるけれど、StrikinglyはモバイルファーストなWebサイト作成サービスだ。

Chen氏はStrikingly以前にも金融リテラシー教育の非営利団体「Moneythink」を立ち上げるなど、起業家精神にあふれる若者だ。ゴールドマン・サックスに就職して良い給料で働きはじめたものの、これが本当に自分のやりたいことかという疑問に答えられずに7カ月で退職。起業家としての道を歩み始めたという。「起業にまつわる、考え得るあらゆる失敗を経験してきた」と語るChen氏にとってY Combinatorを通したStrikinglyの起業で得られた経験と教訓には、とても深いものがあるという。例えば、Strikinglyは一見ただシンプルなだけのWebサイト作成ツールだが、ここには深い洞察が含まれている。

例えば、たった1ページのWebサイトというシンプルさ。実はページ内にドラッグ&ドロップできる要素というのもほとんどない。これは不要なものを削った結果だという。ユーザーが本当に欲しいもの、それは全ての要素が動かせるほど柔軟なカスタマイズ性などではなく、テンプレートを変更できることだった、というのが一例だ。今でもChen氏はCEOとしての時間の多くを実際の利用者と話すことに当てているという。本当に多くの人々が共通して欲しているものは何かという洞察は、膨大な数のユーザーの話を聞くことで徐々に結晶してくるものだとChen氏はいう。それ以外に、こうした洞察を得る方法はないと話す。

使ってみれば分かるが、Strikinglyは本当にシンプルだ。そして本当に大切な部分だけを残して死ぬほどシンプルにした結果、ちょうどTwitterで起こったのと同じようなことが起こりつつあるのではないか、とChen氏はStrikinglyのビジョンを語る。Twitterは、それまでのブログなどと異なり、140文字という制限を課すことによって、むしろ人々から大量のアウトプットを引き出した。そして、誰も想像し得なかった使い道を生み出した。同様に「Webサイトを作る」ということが、かつてないシンプルさで、スマフォ1つで誰にでもできるようになったときに何が起こるのか? Chen氏自身が想像しなかった実際の例を交えて、こうしたこともChen氏にはTechCrunch Tokyoで語って頂けることと思う。

まだTechCrunch Tokyoの登壇予定のスピーカーを全員お知らせできてはいないが(タイムテーブル)、チケット販売は引き続き10月31日木曜日までは早期割引(通常価格1万5000円のところ1万円)が適用される。11月12日は火曜日の平日だが、多くの起業家やCEOたちを招いているので、ぜひ生の声を聞きにご来場頂ければと思う。

TechCrunch Tokyo 2013のチケット購入はこちらから→


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。