YouTubeがビデオレスを廃止, クリックスルー率が0.0004%と超低いため

Googleは同社のビデオ共有サイトYouTubeから、9月12日以降、ビデオによるコメント投稿をなくす。ユーザは検索に自分のビデオがかかるために、ハッシュタグや説明文を利用すること。なくす理由は、ビデオレスの平均CTRが0.0004%という微細なものであるため。

YouTubeのチームの説明によると、ユーザ100万のうちたったの4人が、メインのビデオの下にある小さなボックスをクリックしてくれる。オリジナルの作者に対するファンのエンゲージメントを増やす策としては、これは失格である。だから、別の方法を探した方がよい。

この方針は、YouTubeのCreatorsブログに載った。影響を受けるのはクリエイターだから。ビデオレスはYouTube上の人気ビデオが会話を喚起し、ファンとの対話を増すための仕組みだった。ビデオレスは本体ビデオに添付されるから、そのレス自身も見られる機会が増え、本体ビデオをネタとする会話が盛んになる、…はずだった。

YouTubeによると、今度からは、自分のレスにビデオを結びつけたいファンは、ビデオのタイトルやハッシュタグ、説明文などを明示的に書くこと。そうするとオリジナルの作者がそのビデオを見つけて、それをプレイリストに加えたり、チャネルに入れたりできる。

既存のビデオレスは消されずに残るが、要するに視聴率が超低いのだから、そもそもあまり意味がない。

GoogleはYouTubeを、チャネルを軸とする巨大メディア…テレビと互角に戦う…に変身させたいらしい。ビデオレスの廃止は、ファンのレスビデオも(原作者が)チャネルに入れてしまえ、という姿勢の現れだ。いよいよ、改造の総仕上げの段階か。でも、そうやって単にテレビと同じものになるのなら、おもしろくないね。YouTubeは、ビデオレスのような、テレビにできないことがあるから、おもしろかったんじゃないの。チャネルを主役にするのはいいけど、YouTubeがティーンたちのあいだで人気第一位の音楽サービスになった理由を、よーく考えていただきたい(それはYouTubeの、テレビには絶対にない、ネットワーク効果だ)。そして、これからもますます、テレビにはできない、チャネル以外のおもしろいことを、どんどんやっていただきたい。それこそが、YouTubeの人気を今後も維持増大するための秘訣ではないのか。

だから、今後注目すべきは、YouTubeはビデオによるエンゲージメントのためのツールを、ビデオレスからどこへ持っていこうとしているのか、だ。もっとCTRの高い、おもしろい仕掛けを考えてほしいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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