好き嫌いはいろいろとあるだろうが(そして発音の仕方もいろいろ流儀があるようだが)、GIFが廃れてしまうようなことはあるまい。
GIFというものが蔑視の対象であったのはそれほど昔のことではない。GIFを使った「Under Construction」バナーなどは揶揄の対象となっており、GIFを使おうとするデザイナーもほとんどいなかった。
しかし時代は高速インターネットの時代となった。これにより、従来より長尺で高品質なGIFが即座に表示できるようになった。さらに、コンテンツの作成の仕方に大きな変化が訪れた。デザイナーが念入りなデザインのもとで提供するものばかりでなく、たとえばコメントや、ただ文書を記したブログ記事、あるいはツイートなどが重要なコンテンツとして機能し始めたのだ。そしてGIFが復権することとなった。GIFミーム、あるいはGIFによる動物画像などが大流行することとなった。TumblrでもGIFは大いに流通することとなり、80年代後半に生まれ、そして次第に馬鹿にされるようになっていったフォーマットが、ついに改めて人気を獲得しつつあるのだ。
確かに、GIFを中核に据えるデザイナーなどはなかなかいないかもしれない。しかし一般の人の手になるGIFが広く流通するようになってきている。多くの場合、GIFは動画より簡単にシェアすることもできる。動画共有サイトに投稿する必要もなく、簡単に皆に見てもらうことができ、また対応するデバイスの数も多い。面白い動画を公開するにはかなりの準備作業が必要ともなるが、GIFならばすぐに思ったような表現を生み出すことができる。GIFを使う方が面白いことができるというようなケースも多いはずだ。
但し、簡単だとは言ってもGIF作成に難しさを感じている人もいることだろう。確かに、もっと簡単に作ることの出来るプラットフォームがあっても良いだろう。今でもYouTubeのクリップからGIFを生成するようなサービスは数多くある。しかしそのほとんどが、どうにも使えないものになっている。便利なツールかと思えばスパイウェアであるものまである。作成したGIFにぶざまなウォーターマークを貼り付けまくるようなものもある。いずれも「簡単な操作」を提供してはいるが、「簡単な操作」の結果として出てくるものがゴミばかりではどうしようもない。使えるものもないではない。ただ、そういうものに限ってすぐに提供が停止されてしまったりもするのだ。そういう状況の中、サードパーティーに依存するのはやめてしまえばどうかと思うのだ。
YouTube自らが、簡単に現在の状況を改善することができるはずだ。GIF化して共有する機能を加えてしまえば良いのだ。「動画をシェアすれば良いじゃないか」と思う人も、もうしばらくお付き合い願いたい。
ともかく、YouTubeに実装して欲しいGIFジェネレーターの様子を掲載しておこう。もちろんGIF形式にしておいた。
され、それではYouTubeにとってのメリットとはなんだろうか。
1)トラフィック拡大:「出処はどこだ?」と、面白いGIFを見つけると大勢の人が気にすることだ。YouTube発のGIFに動画へのリンクを埋め込んでおけば、大勢の人がYouTubeサイトにやってくることになる。GIFを見て興味をもった人によるビデオ閲覧回数も増えることになる。
2)データ:多くの人が、ビデオに含まれる同じ箇所からGIFを作ったとしよう。それはつまり、ビデオの該当箇所を面白いと感じる人が多いことを意味する。すなわち、この部分を広告として利用すれば良いわけだ。注目すべき箇所が、クラウドソーシングにより信頼性高く提示されることとなる。
ぜひ実現をお願いしたい。GIFを作ってみたいと思っている元ビデオがたくさんあるのだ。
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(翻訳:Maeda, H)