ZendeskはZendesk Sunshineの立ち上げでプラットフォームへと移行

Zendeskはこれまでずっとクラウド内での顧客サービスに力を入れてきた。彼らは9月にBaseを買収することで、セールスオートメーションならびにCRMに幅広く参入することを始めた。そして本日(米国時間11月13日)同社はZendesk Sunshineを発表した。これはZendeskツールセット上に、カスタマー中心のソフトウェアを構築するための新しいプラットフォームだ。

これらの全てが、Zendeskを現在のカスタマーサービスミッションから、より幅広いカスタマーマネジメントビジネスへの移行を示しているように思える。Zendeskの創業者兼CEOであるMikkel Svaneによれば、Sunshineは、多くのクラウド企業が目指す、プラットフォーム化に向けて会社を変えるものだと語る。「Sunshineは顧客の皆さまが独自のアプリケーションを構築し、そのお客様に関わる全てのデータを管理したり保存したりすることができる新しいプラットフォームなのです」とSvaneはTechCrunchに語った。

手始めに、Sunshineプラットフォーム上に構築されたアプリケーションのインフラストラクチャサービスバックエンドとして機能させるために、ZendeskはAWSと提携する。「顧客の皆さまはSunshineの上にアプリケーションを構築することができます。典型的なものはカスタマーエクスペリエンスやカスタマーリレーションアプリです。AWSにネイティブに組み込まれているため、すべてのAWSサービスにアクセスすることが可能です。もちろん、すべてのアプリケーションは情報共有などのためにSunshineプラットフォームを使うことができます」と彼は説明する。

彼は意図的にパブリッククラウドを選んだと語る。なぜなら彼は、そここそが、開発者たちが現在仕事をしたい場所だと信じているからだ。「私たちは、企業や開発者たちがパプリッククラウドパラダイムを活用し、Sunshineのようなフレームワークを使ってアプリケーションを構築するべきだと考えています」と彼は語る。

Svaneは、このアプローチはまず、Zendeskの顧客がこれまでZendeskサービスを使う中で自然に収集してきたデータを活用するアプリケーションを、構築することを助けるところから始めるが、やがて独立した開発者たちがプラットフォームを使って仕事ができるようにもしたいと語っている。

Svaneは、本日の発表を、同社の製品とサービスを拡大するための第一歩と見ており、今後何年かで構築を計画しているものの一部であると考えている。「私たちのプラットフォームミッションを真に取り込むためには、この先ロードマップ上に多くの目標が出てきます。そして私たちの究極のゴールは、望む者なら誰でも、どのような種類の顧客向けアプリケーションでも構築できるような、極めて汎用性の高いCRMプラットフォームとなることなのです。そしてパブリッククラウドとShunshineフレームワークを活用し、サービス、ベンダー、そしてアプリケーションの間でデータがシームレスに流れるようにしたいのです」と彼は語る。

私たちはSAPがQualtricsを80億ドルで買収することで、カスタマーエクスペリエンスが舞台の中心に躍り出たところを見た。顧客の重要性はますます増しており、Zendeskは多くのカスタマーデータにアクセスすることができ、それを使って開発者たちはカスタマイズされたカスタマー中心アプリケーションを構築することができる。この発表で本当に驚くべき唯一のポイントは、Zendeskがもっと早いプラットフォーム化の発表をしなかったということだけだ。

しかし、おそらくより成熟したベンダーとして、いまやBaseを取り込んで、彼らはこの種の動きに対して、過去よりもずっと準備が整っていると感じていることだろう。理由が何であれ、価値あるエンタープライズクラウド企業はいずれも、開発者向けのプラトッフォームになる努力を重ねてきた。そして今日の発表によって、Zendeskにもその順番が回って来たのだ。

画像クレジット: ERIC PIERMONT / Getty Images

[原文へ]
(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。