AIを利用した音声文字起こしサービスのOtter.aiは、企業ユーザーが会議を簡単に記録できるようにすることを目指している。米国時間5月19日、同社は新機能のOtter Assistantを発表した。これはカレンダーに入力されているZoomミーティングに自動で参加し、会話を文字に起こし、他の参加者とメモを共有できるようにする機能だ。Otter.aiはすでにZoomと統合しているが、アシスタントは毎回自分で会議の開始時に文字起こしを有効にしたり終了時に止めたりしなくても済むように設計されている。また、会議中に参加者が質問をしたり写真などを共有するなどの共同作業もできるようになっている。
この機能は、Otter.aiの統合を直接利用できるのはZoomミーティングの主催者だけというZoomの以前の制限に引っかからずに動作する。
会議の文字起こしを自動化しようというアイデアは、コロナ禍により発生したリモートワーク環境を考えれば納得がいく。この環境で人々は仕事や育児、在宅授業などに時間を割り振ってきた。このような状況では、会議から離れ、言われたことを聞き逃してしまうこともある。これはOtter.aiが役に立つケースの1つだ。他には会議が重なっている場合、あるいは長い会議の中で自分に直接関係するトピックはごくわずかだが他のトピックをリアルタイムではなく後で確認したいといった場合にも有効だ。
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新しいOtter Assistantを使うには、まずGoogleカレンダーまたはMicrosoftカレンダーをOtterのサービスと同期する。するとアシスタントが自動で今後のすべてZoomミーティングに参加する。透明性のため、アシスタントは1人のミーティング参加者として表示される。
文字起こしにアクセスするためのリンクがアシスタントからZoomのチャットで全員に投稿される。つまりこれは上司に知られずに会議をパスするための機能ではない。会議を文字起こしすることに全員が同意した場合に使う機能だ。
会議中に参加者はOtterのライブ文字起こしで重要な部分をハイライトしたり写真を追加したりメモをとったりすることができる。参加者は発言するのではなくコメント機能で質問をすることもできる。自分が騒がしい場所にいるときに便利だろう。
いったんアシスタントを有効にしたら、会議のたびにOtter.aiをオンにする必要はなく、会議をヘッドフォンでで聴いてもかまわない。Otter Assistantは会話の双方を録音する。
ただし、Otterのウェブサイトの「My Agenda」からOtter Assistantを会議ごとにオフにすることもできる。「My Agenda」には予定されている会議ごとにスイッチが表示される。
会議が終わったらOtter.aiの設定で参加者全員に自動で会議のメモを共有する機能もある。
Otter Assistantは1カ月20ドル(約2170円)からのアップグレードプランであるBusinessユーザーが対象で、2ファクタ認証、SOC2コンプライアンス、高度な検索、書き出し、カスタムの語彙、共有話者識別、データと支払いの一元管理などに対応している。
Otter.aiは2021年初頭に1億回の会議を文字に起こしたと述べていたが、そこからさらに増えてこれまでに1億5000万回以上になったという。同社はサブスクリプション利用者数の詳細を公開していないが、2020年に売上が8倍と大幅に増加し、2021年2月に発表された5000万ドル(約54億3500万円)のシリーズBにつながった。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Otter.ai、文字起こし、Zoom、ビデオ会議、アクセシビリティ
画像クレジット:Otter
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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)