Zoomは安全ではない、インド政府が政府職員の業務での使用を禁止

インド政府は16日、Zoomは「安全なプラットフォームではない」と述べ、政府職員に業務で使用しないよう勧告した。ビデオ会議のZoomは多くの国で人気が高まっていて、世界第2位のスマホマーケットで、何十億という人が新型コロナウイルス危機で外出が禁止されているインドでもそうだ。

Zoomは安全なプラットフォームではない」とインド内務省のサイバーセキュリティ監視機関CyCordは16ページにわたるPDFで勧告した。「政府職員が公用で使用するプラットフォームではない」と報道局は声明で述べた。勧告では、私的なコミュニケーションでZoomを使用したいという人向けのガイドラインも示されている。

インドの動きは、GoogleやApple、NASA、Teslaといった組織が従業員にZoomの使用を控えるよう警告したことに続くものだ。Zoomは2億人超のユーザーを抱えている。ドイツと台湾はZoomの使用を禁止した。時価総額400億ドル(約4兆3000億円)超のZoomは、ここ数週間でセキュリティとプライバシーでの問題が明らかになり、調査を受けている。また訴訟も起こされている。

Zoomはこのところインドのアプリストアでも人気がある。インドでは企業向けのサービスが一般消費者を引きつけるのは稀であり、これは驚きだ。何人かの大臣は、Zoomを使っているところを写した写真を最近ツイートした。

Zoomはインドで過去2週間、1日あたり45万回超ダウンロードされている、と調査会社ApptopiaはTechCrunchに話した。インドは今週、スタートアップを対象に安全な会議アプリ開発のコンペティションを開始した。

ZoomのCEO、Eric S. Yuan(エリック・S.ユアン)氏はセキュリティ面での落ち度を謝罪し、新機能の開発ではユーザーのプライバシーとセキュリティにフォーカスすることを優先すると約束した。同社はまた、前Facebookセキュリティ責任者のAlex Stamos(アレックス・ステイモス)氏をこのほどアドバイザーとして招聘した。

画像クレジット: Olivier Doiliery / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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