Zoom爆撃訴訟で和解金約93億円の支払いにZoomは同意

ユーザーのデータを許可なくサードパーティと共有し、Zoombombing(Zoom爆撃)を引き起こしたことでユーザーのプライバシーを侵害したと提訴されていた裁判で、ビデオ会議大手のZoom(ズーム)は和解金として8500万ドル(約93億円)を支払うことに同意した。

パンデミックでZoomの使用が爆発的に増えるなかでTechCrunchが2020年に造り出した言葉「Zoombombing」は、招待されていない人がZoomコールに侵入して攻撃的な画像を共有したり、増悪に満ちたメッセージを拡散するためにバックグラウンドを使ったり、あるいは人種差別的で冒とく的な表現をまくしたてることでコールを台無しにすることを指す。

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2020年3月にカリフォルニア北部地区の米連邦裁地方判所におこされた裁判では、ZoomがFacebookやGoogle、LinkedInなどを含むサードパーティと個人的なユーザーデータを共有していたことも非難した。

和解金8500万ドルに加え、もし裁判が集団訴訟の扱いになれば、Zoomはサブスクリプション料金25ドル(約2700円)の15%を顧客に返金することになる。そして同社は、会議への乱入を防ぐためにさらなる予防措置を講じると話した。ここには、会議のホストあるいは他の参加者が会議でサードパーティのアプリを使うときにユーザーに警告したり、プライバシーやデータの取り扱いに関して従業員に特別な訓練を提供することが含まれる。

「Zoomにとってユーザーのプライバシーとセキュリティは最優先事項であり、顧客が当社におく信頼を真剣にとらえています」と同社は声明で述べた。「プラットフォームに加えた改善を誇らしく思っており、プライバシーとセキュリティを最前線で刷新し続けることを楽しみにしています」。

訴訟の和解が最終的に成立するにはカリフォルニア州サンノゼ地方裁判所の裁判官Lucy Koh(ルーシー・コー)氏の承認を得る必要がある。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Zoomビデオ会議プライバシー裁判

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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