スマイルロボティクス(スマイルロボ)は4月28日、野口観光グループの野口リゾートマネジメントが運営する「源泉のお宿 湯河原千代田荘」のメインダイニングさくらにおいて、開発中の「アーム付搬送ロボットACUR-C」(アキュラシー)の試験運用を実施したと発表した。
ACUR-C(Autonomous Clear Up Robot Type-C)とは、配膳・下膳を全自動・非対面で行えるようにした開発中のロボット。これにより、スタッフが「人にしかできないおもてなし業務」に注力することで、オペレーション改善および売上・利益貢献を目指すという。
特徴としては、「既存の配膳ロボットとは異なり『ロボットアーム』を有する」「既存の配膳ロボット同様に『自律移動』が可能」の2点を挙げている。これらにより「つかむ」「はこぶ」を完全自動で行い、店員も飲食客も皿の乗せ換えをする必要がなくなり、配膳・下膳の無人化を実現できる。
試験運用の内容は、施設側のオペレーションに合わせて「下膳」にフォーカスして実施した(ロボット自体は配膳も対応可能)。具体的な動作は以下の通り。
- タブレットでテーブル番号を指示
- ロボットが自律移動で障害物を回避しながら指定テーブルに移動
- アームを使ってトレイを体内の棚に回収
- 別の空トレイをテーブルに設置(動画では割愛)
- 再び自律移動で障害物を回避しながら所定の下膳口まで移動
- 回収したトレイを下膳口に置く
飲食客が食べ終えた後の実際の食器には、汁物が残っていたり、バランス悪く積まれていたりなどもあったが、落下させるなどのトラブルもなく、想定通り一連の動作を実現できたという。
今回の試験運用で確認できた各種技術の有効性と新たに得られた課題を踏まえて、引き続き同社は、ロボットの社会実装・実用化に向け、様々な環境下での試験運用を行い、追加開発を行うとしている。またアーム付搬送ロボットに限らず、ロボティクス技術の社会実装・実用化を見据えた開発全般(共同開発・受託開発含む)も積極的に進めるとしている。
スマイルロボティクスは「ロボット技術で全世界に笑顔を」をミッションとする、2019年に創業したロボットスタートアップ。元Google(Alphabet傘下でロボットの研究開発を手がけていた「SCHAFT」)のロボットエンジニアが集まり立ち上げたという。
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