100万ポンドはクールじゃない、だったら何がクールなのか。
Facebookが近々金融サービスに乗り出すかもしれないという報道のさなか、交渉されたと噂されるスタートアップの一つ、ヨーロッパのP2P送金サービス、TransferWiseが、今日大きな里標を通過した。同プラットフォームは、顧客の資金10億ポンドを処理した。これは昨年5月に同社が、シリーズAラウンドでPeter ThielのValar Venturesから600万ドルを調達した時から8倍 ― 1.25億から10億ポンド ― に増えたことになる。
そして、もっと良い物差しは実際の〈売上〉ではあろうが、これがロンドン拠点企業の著しい勢いを示していることは間違いない。これはまた送金の分野が過熱状態にあることの証明でもある。特にヨーロッパでは、無数のスタートアップが銀行や伝統的プレーヤーWestern Union等を破壊しようと狙っている ― だからFacebookが興味を持ったのだ。
つい先月、ダブリン拠点のCurrencyFairが送金10億ドル ― ポンドではなくドル ― の壁を越え、P2P送金サービスのトップだと主張したが、恐らくTransferWiseは異論があるだろう。その同じ月、英語のAzimo ― Facebookの買収先候補で30るとFinancial Timesが報じた ― がシリーズAラウンドで1000万ドル調達し、WorldRemitは、Accel Partnersから4000万ドルの出資を受けた。
会話中、TransferWiseの会長・共同ファウンダー、Taavet Hinrikusは、Facebookからアプローチがあったどうかの話題を避けたが、もしFacebookが送金事業に参入すれば、金融サービスがより透明性であるべきことの証になるだろうと語った。
これは、TransferWiseのやり方を示すものでもある。銀行で海外送金する際の隠れた費用を暴露することだ。P2Pモデルを導入することにより、同社のプラットフォームは仲介業者を回避することができる ― これまでに顧客は計4500万ポンド節約していると彼は言っている。
「Facebookのような大物がこの分野に参入することは、全員にとって利益になるのみだ」と彼は言う。
Hinrikusは、そのビジネス可能性全体について熱弁を奮い、TransferWiseはまだ始まったばかりであることを強調した。「たった今世界を見渡しても…送金ビジネスはとてつもなく大きい市場だ。当社はこれまでに10億ポンドを取扱ったが、まだ表面に触れただけにすぎない」と彼は言った。「今は作って大きくすることに集中している。毎日山ほど楽しいことがある」
これは、「売却を考えるにはまだ全く早すぎる」を暗号化したトークかもしれないし、あらゆるTransferWise/Facebook憶測に冷水をかける方法でもある。そして、どのファウンダーも概してこういう話をするものだが、Hinrikusが可能性とスタートアップ人生全体について語る情熱から判断するに、私は彼の言葉を額面通り受け取っている。
この10億ドルの里標に合わせるように、同社はiOSアプリに続いて、Androidアプリを今日公開した。Hinrikusは、モバイルはもう一つの ― かつ異なる ― 機会であると言い、TransferWiseは「モバイルでもっと何ができるか?」を考えているという。
「携帯電話は常にポケットに入っているものであることを考えれば、モバイルでお金を扱えることにはより大きな意味があり、使い方もいろいろある。これまでと違うユーザー体験を与えることができる」と彼は言う。
最後に私は、Hinrikus ― 最近Bitcoin交換所のCoinfloorに投資した ― に、TransferWiseがこの暗号通貨を取扱うことがあるのか、あるならいつなのかを尋ねた。「Bitcoinが何かの役に立つ時が来れば」と彼は言い、エンジニアとしての自分は今もそのテクノロジーに興奮しているが、「まだ本格的応用は考えていない」と語った。
「誰かがBitcoinのキラーアプリを作ることに期待している。もしそうなれば、もちろんわれわれもサポートするつもりだ」とHinrukusは付け加えた。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)