Spotifyがユーザーを駆り立て中毒性を高める通知機能「What’s New」フィードを導入

Spotify(スポティファイ)はFacebook(フェイスブック)などのソーシャルネットワークからヒントを得た新機能を導入する。モバイルアプリの「ベル」アイコンの下で通知を流し続けてユーザーに最新コンテンツを見せるやり方だ。米国時間7月26日、Spotifyは「What’s New」フィードを公開した。新着情報を見たいモバイルアプリユーザーに最新情報を送る。

同社によると、What’s Newフィードは、Spotifyユーザーが同サービスでフォローしている番組やアーティストが公開した新曲やポッドキャストの最新情報を追いかける新しい方法だという。これは普段、聴いている曲に基づいてパーソナライズされたフィードであり、万人向けのフィードでも個別に選んでカスタマイズしたものでもない。

このフィードは、ホームタブのトップに最近聞いた曲や設定アイコンと並んで右上に新設された「ベル」アイコンの中にある。

画像クレジット:Spotify

フィードはリアルタイムで更新され、前回アプリを開いた時以降に新しい曲やエピソードが届くと、ベルアイコンに青いドットがつく。これまで新曲に関する情報は、ホームタブやアプリの検索ページのハブの中などさまざまな場所にあった。

この新機能は、新しいものはすべてSpotifyアプリだけを見ればわかるようになるので便利に違いないが、ドットを利用した「通知」機能は、アプリの中毒性を高める心理トリックでもある。ドットは緊急な印象をあたえ、新着情報を見るため、あるいはドットをクリアするためにクリックしなくてはならないと感じさせる。実際、ソーシャルアプリにこの手のドットが多すぎると反感が高まり、Facebookも数年前目障りな赤い通知ドットをオフにするツールを配布した(正確にいうと、Facebookは赤のドットを完全に排除していない。デフォルト設定は今でも「オン」で、現在同サービスのウェブサイトのあちこちに通知ドットがある)。

Spotifyアプリに追加されたこの一見したところ大したことのなさそうな新機能も実はよく計算されている。そしてこれは、グロースハックやアプリの中毒性を高めようとする小技の過剰利用に反対して近年出現している人道的テクノロジー運動からは何歩か後退するものだ。

今、多くの企業は中毒性機能から離れようとしている。たとえばAppleは、アプリが通知を送れるタイミングをユーザーが制御できるようにする消費者向けツールを追加し、近日公開のiOS 15リリースでは重要性の低いアプリの通知を1日のサマリーにまとめたり、気を散らしたくない時のための「フォーカス」モードを提供する。一方TikTok(ティックトック)は、長い時間見すぎていることを知らせる動画を挿入している。Instagram(インスタグラム)は「You’re all caught up(コンテンツは以上です)」を2018年に導入した。

注意を促すための通知機能追加したSpotifyは、逆方向に進んでいる。たとえユーザーの心地よさと喜びを犠牲にしてでも、ユーザーエンゲージメントを増やしたいのだろう。

What’s Newは、今後数週間のうちに全世界のiOSとAndroidユーザーに公開される。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Spotifyアプリ音楽ストリーミング

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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