テスラがセミトラックの発売を2022年に延期、Cybertruckの遅延も示唆

電気自動車メーカーのTesla(テスラ)は、サプライチェーンの問題とバッテリーセルの入手可能性が限られていることから、電動セミトラックの発売を2022年に延期すると、米国時間7月26日に行われた第2四半期の決算発表の中で述べた。

テスラのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、以前からバッテリーの供給が限られていることについて警告しており、2017年11月にプロトタイプが初公開された電動セミトラック「Tesla Semi(テスラ・セミ)」にもその影響が及ぶ可能性があるとしていた。2021年1月、マスク氏はTesla Semiのエンジニアリング作業が完了し、2021年中に納車が開始できる見込みであると述べながらも、ただしバッテリーセルの入手状況によって生産能力が制限される可能性があるという警告を付け足した。

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この警告は、明らかに根拠のあるものだった。株式市場が閉まった後に掲載された株主への書簡には以下のように書かれている。

2021年にベルリンとオースティンで始まるModel Y(モデルY)の生産は計画通り順調に進んでいると、我々は考えています。しかし、それぞれの工場における生産量は、多くの新しい部品や製造技術の導入が成功するかどうか、サプライチェーン関連の問題が継続するかどうか、そして地域の許可を得られるかどうかによって左右されます。

これらの工場に集中するため、また、バッテリーセルの入手量が限られていることやグローバルなサプライチェーンの問題を考慮して、Semiトラックのプログラム開始時期を2022年に変更することにしました。なお、Model Yに続いてオースティンでの生産を予定しているCybertruck(サイバートラック)の製品化も進展しています。

業績発表や決算報告書の中では言及されていないものの、今回の延期は、同社の重要な幹部でTesla Semiの開発および最終的な量産に携わっていたJerome Guillen(ジェローム・ギレン)氏の退社にともなうものだ。ギレン氏が6月に退社したのは、同氏がSemiを含む自動車部門全体の社長職から、より責任の軽い大型トラック部門の責任者という職務に移されてからわずか3カ月後のことだった。ギレン氏は、2018年9月から2021年3月まで、テスラの自動車事業全体を率いていた。

一方、2021年後半に生産開始が予定されているCybertruckも、2022年にずれ込む可能性があるようだ。マスク氏は質問に答えなかったが、決算説明会ではマスク氏のコメントだけでなく、テスラのエンジニアリング担当VPであるLars Moravy(ラース・モラヴィ)氏のコメントからも、2022年にシフトする可能性が示唆されている。

電動ピックアップトラックであるCybertruckは、今のところ試作のアルファ段階にあり、車両の基本的なエンジニアリングとアーキテクチャが完成している。現時点ではModel Yが優先されるものの、2021年後半にはCybertruckをベータ段階に移行させる予定だと、モラヴィ氏は述べている。

「モデルYの生産が軌道に乗ったら、Cybertruckをテキサスで生産する準備に入ります」と、モラヴィ氏は付け加えた。

マスク氏は、おそらくCybertruckが2021年に発売されるという期待を緩和させるためか、Cybertruckを生産することの難易度について言及した。

「Cybertruckを完成させることは、新しいアーキテクチャーであるがゆえに困難が予想されます」と、マスク氏は語った。「すばらしい製品になるはずですし、もしかしたら当社のこれまでで最高の製品になるかもしれません。しかし、そこには根本的に新しい設計思想が多く含まれているのです」。

そして同氏は、これまでテスラの他の自動車が試作から量産に移る際に主張したことを繰り返した。すなわち「生産は難しい」ということだ。

「これまでの繰り返しになりますが、試作や少量生産は実際に簡単でも、大量生産されるものは、これは本当に重要なことなのですが、1万点にも及ぶそれぞれ異なる部品やプロセスの中で最も時間がかかることに合わせた速度で進みます」。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:TeslaバッテリーCybertruckトラックイーロン・マスク

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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