米会計検査院が月着陸船開発契約をめぐるBlue Originの抗議を却下

数十億ドル(数千億円)もの月着陸船開発をSpaceXと契約するというNASA(米航空宇宙局)の判断をめぐるBlue Originの米政府への抗議は却下された。

米会計検査院(GAO)は米国時間7月30日、Blue Originの抗議、そして月着陸船開発案を提出した防衛関連企業Dyneticsによる訴えのいずれも却下する、と明らかにした。GAOは、NASAがSpaceX1社と契約した際、法律や規則に反しなかった、と結論づけた。

「結果として、SpaceXとだけの契約でNASAが不適切な行動を取ったという訴えをGAOは否定しました」と声明文で述べた。

抗議は、アポロ計画以来となる人間の月面着陸を目指している有人着陸船(Human Landing System)プログラムの契約を、当初意図していた2社ではなくSpaceXのみと結んだというNASAの判断についてのものだった。SpaceXの有人着陸船プログラムの提案は29億ドル(約3180億円)で、59億9000万ドル(約6570億円)というBlue Originの提示額のおおよそ半分だった。今週初め、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏はNASA長官のBill Nelson(ビル・ネルソン)氏に、NASAが契約で1社のみを選ぶことになった「短期的な予算の問題」を解決するために20億ドル(約2190億円)の値引きを提案する公開書簡を送った

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1社のみと契約するというNASAの判断はこれまでの習慣から方向転換することになったが、GAOは「複数企業との契約、1社との契約、あるいは契約しない権利が認められています」と記した。

Blue Originは、NASAが2社と契約するだけの十分な資金がないとの結論に至った後に、入札内容を修正する時間が与えられなかった、と主張した。「要件変更についてNASAが意思疎通を図らなかったことにより、Blue Originは明らかに先入観をもたれました」と同社は申し立てに書いている。「Blue Originは提案したアプローチを修正し、NASAの予算に見合う額に減額し、そして(あるいは)スケジュールの代替を提案する、いくつかのアクションを取ることができたはずです」。

Blue OriginとDyneticsは4月にそれぞれ異議を申し立てた。

会計検査院の判断について、Blue Originの広報担当は以下のようにTechCrunchに述べた。

「当社はNASAの決定に根本的な問題があったと強く確信しています。しかしGAOは限られた権限のためにそうした問題を解決することができませんでした。当社は引き続き、正しいソリューションだと信じているプロバイダー2社を主張します」。

広報担当は、上院議員が有人着陸船プログラムで2社を選ぶことをNASAに求める規定を法案に追加したことについてBlue Originは心強く思っている、とも述べた。

一方、Elon Musk(イーロン・マスク)氏は今回の判断について以下のように反応している。

TechCrunchはDyneticsにコメントを求めている。返事があればアップデートする。

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カテゴリー:宇宙
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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