米アマゾンが地元小売店での商品受け渡しに再挑戦

Amazonが展開中の「Local Selling」(ローカル販売)サービスは、地域の小売店が近隣の顧客に品物の受け取り場所と近くて早い配達の両方を提供する。

新しいオプションで売り手は、商品の店内受け渡しなどのサービスを特定のZIPコード(郵便番号)で提供し指定できる。場合によっては、顧客が品物を売り手の店舗から当日配達で購入し、それをその店舗で受け取ることもできる。

店舗で受け取ることができる商品は、ページに「store pickup」(店で受け取る)タブがある。顧客が注文すると、店舗に品物が到着したとき通知が届く。その商品は、最大5日間、店舗にある。

店舗ではまた、その店舗による配達を指定できる。配達の手配をするのは、その店舗自身だ。顧客が購入時に「arranged delivery」(配達を頼む)を指定すると、店舗が顧客に配達の日時を連絡する。注文の際の指定で、家具や大型家電などの据え付けを頼むこともできる。

AmazonのLocal Sellingは、それを申し込んだ地元店だけでなく、以下の全国チェーンでも利用できる:

  • Mavis Discount Tire
  • Sears Hometown Store
  • 4 Wheel Parts
  • Electronic Express
  • Best Buy
  • Appliance Connection
  • Mattress Warehouse
  • Beach Camera
  • Adorama
  • DataVision
  • Exclusive Furniture
  • World Wide Stereo
  • MODIA
  • Focus Camera

同社によると、Local Sellingは2021年〜2022年にかけて拡張するため、実施したい店舗は今日からでも応募できる。

Amazonのレクリエーションおよび職業部門担当副社長Jim Adkins(ジム・アドキンス)氏は「私たちが行った調査によれば、地元店での受け渡しは多くの顧客に受け入れられている。またこの機能により売り手は顧客とより親しくなり、自店の優れた商品や自店の利便性を訴求することが、喜んでもらえる」という。

なおAmazonは2019年に、同じく顧客が小売店で品物を受け取る仕組みとして、「Counter」(カウンター)というサービスをテストした。それは同社が小売店とパートナーして、オンラインで注文した品物の受け渡しカウンターをセットアップするものだった。

今回の企画でAmazonが望んでいるのは、サードパーティのネットワークと実店舗を利用して顧客の手に品物がより早く届くことだ。またそれによりAmazonは、顧客を小売店のウェブサイトよりもむしろ、自分のマーケットプレイスにキープしたい。また、パンデミックで街角での受け渡しが増えていることも、契機になっている。

しかも、WalmartやTargetにはかなり前からこのオプションがあり、Amazonも大型店や地域小売店と今後もさらに競合していくためにはこのような新しいサービスが必要だ。Shopifyのマーチャントにも今では店内受け渡しサービスがあるから、Amazonは彼らとの競合も意識せざるをえない。

画像クレジット:David Becker/AFP/Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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