中国アリババがCFO交代を含む大規模な経営陣の再編を発表

Alibaba(アリババ)は、同社の最近の歴史の中で最大規模の再編成の1つとして、4人の幹部の役割を変更することを中国時間12月6日朝に発表した。

eコマースの巨人である同社のMaggie Wu(マギー・ウー、武衛)CFO(最高財務責任者)は2022年4月に退任し、後任には現副CFOのToby Xu(トビー・シュー、徐宏)氏が就任する。ウー氏は、Alibabaの方向性に大きな影響力を持つ人材で構成されるAlibaba Partnership(アリババ・パートナーシップ)のパートナーとAlibaba取締役会の執行取締役を引き続き務める。

ウー氏は、約15年前にAlibabaに入社して以来、同社の3件の株式上場に貢献した。2007年のAlibaba.com(同社のB2Bマーケットプレイス)の香港証券取引所への上場、2014年のAlibaba Group Holding(アリババグループ・ホールディング)のニューヨーク証券取引所への上場、2019年の香港証券取引所への上場である。Alibabaは、米中の緊張が高まる中、香港でのセカンダリー上場を推し進めた米国上場の中国企業の1つだ。

1999年に設立されたAlibabaは、2015年にJack Ma(ジャック・マー、馬雲)氏がCEOの座をDaniel Zhang(ダニエル・チャン、張勇)氏に譲り、さらに2019年に会長に任命したことで、すでに大きな再編を経験している。

ウーCFOは声明で次のように述べている。「本日行われたAlibabaのCFO交代の発表は、長年にわたる広範な準備の集大成であり、Alibabaの幹部継承計画の一環です」。

同氏はこう付け加えた。「市場には常に浮き沈みがありますが、Alibabaには野心的な長期目標があります。私たちはリレー選手のようなもので、会社を前進させるには、新世代の人材が必要です。私は、数年前に初めてCFOに就任した時の自分以上にトビー(・シュー)を信頼しています」。

シュー氏は、3年前にPwC(プライスウォーターハウスクーパース)からAlibabaに入社し、2021年の同社の投資家向け説明会に副CFOとして初めて登場した。Alibabaでは、中国でのスターバックスとの提携など、いくつかの大きな取引を監督してきた。

CFOの交代と同時に、ダニエル・チャンCEOは社内文書で、Alibabaは、国内および国際的なeコマースという2本立ての戦略を強化するための大規模な組織再編をすると発表した。

Alibabaの収益の柱である中国国内の消費者向けマーケットプレイスを長年にわたって指揮してきたJiang Fan(ジャン・ファン)氏は、新たに設立されたインターナショナルデジタルコマース部門を指揮する。インターナショナル部門には、同社が2016年に経営権を取得した東南アジアのAmazon(アマゾン)と呼ばれるLazada(ラザダ)が含まれる。また、Alibabaはトルコの主要なECプラットフォームTrendyolの過半数株式を取得し、南アジアで同社に相当する地位のDarazを買収している。

チャンCEOは社内文書の中で「今後も真のグローバル企業を目指していく中で、海外市場には多くのエキサイティングな可能性と機会があると考えています」と記している。

一方、中国国内の消費者向け市場と卸売市場は統合され、新たに中国デジタルコマース部門が設立され、Trudy Dai(トゥルーディ・ダイ)氏の監督下に置かれる。ダイ氏はこれまで、Alibabaの新たな成長ドライバーである、中国の低所得者層を対象としたバザー「Taobao Deals(淘宝ディールズ)」と、近隣の食料品店を対象とした「Taocaicai」の2つのサービスの陣頭指揮を執ってきた。

画像クレジット:Qilai Shen/Bloomberg / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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