Discordがプレミアム会員制度を構築中、クリエイターの新しい収益手法に

Discord(ディスコード)は、コミュニティメンバーに有料購読者限定コンテンツへのアクセスを提供することで、クリエイターが収益を上げられるようにする新しい方法を導入する。この新プレミアム会員制度は最も要望の多かった機能の1つで、Discordのコミュニティが成長するために使用するツールを合理化するオプションを提供すると同時に、同社に新たな収益源をもたらす。

プレミアム会員になると、Discordコミュニティは、コンテンツの一部または全部を有料にすることができるようになる。サーバーはほぼ無料で開放したまま、最も熱心なメンバーのために有料のプレミアムチャンネルを設けることもでき、あるいはコミュニティ全体をプレミアム化して、アクセスにお金をかけることもできる。

プレミアム会員制度について同社は、現時点では「非常に初期のパイロット版」としており、有料機能をテストしてフィードバックを提供する少数のコミュニティに先行して導入される。プレミアム会員制度の小規模テストグループには、チュートリアルやアドバイスを提供するゲーミングブートキャンプ、Trans Community Center(トランスコミュニティセンター)、ストリーミング技術のチュートリアルを提供するサーバーStream Professorなどのコミュニティが含まれる。

Discordのクリエイター製品を統括するプロダクトマネージャーDerek Yang(デレック・ヤン)氏は「Discordコミュニティの運営をより持続可能なものにすることが重要です」とTechCrunchに語った。ヤン氏によると、プレミアムサブスクを広範に展開する時期は決まっておらず、製品を正しいものにするために一歩一歩進めているという。

多くのDiscordコミュニティは、プレミアムコンテンツへのアクセスを管理するために、Patreonのようなサードパーティのサービスをすでに利用している。Discordにこのオプションが導入されたことで、コミュニティは、メンバーがDiscordのプレミアムなNitro機能に支払うこれまでの決済と一緒にサブスクできるカスタマイズされた特典を作ることができるようになる。

同社は、有料会員サブスク料の10%を徴収する予定だが、クリエイターの収益化の実験結果によっては、この数字は将来的に変化する可能性がある。同社は5月に、クリエイターがプラットフォーム上で収益を上げることができる最初の機能として、チケット制のバーチャルイベントのテストを開始した。

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同社はブログへの投稿で「より多くのクリエイターと対話する中で、彼らがこのすばらしいコミュニティを構築するだけでなく、維持・継続できるようにしたいと考えました。そして、これらのコミュニティのメンバーが、作成された価値に対してクリエイターに対価を喜んで支払うことをすでに目の当たりにしています」と書いている。

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画像クレジット:Discord

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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