Apple(アップル)が、秋のハードウェアイベントで発表したApple Musicの低価格プラン「Voiceプラン」へのアクセスを開始する。このサービスは。ほぼHomePodのスピーカーとAirPods専用で、主にSiriのコマンドでApple Musicにアクセスする。音声だけで操作するこのシンプルなバージョンは、標準の個人プランの月額9.99ドル(税込980円)に対して、月額4.99ドル(税込480円)で提供される。
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音楽の新サブスクリプションはiOS 15.2のさまざまなアップデートの一環で、他にもアプリのプライバシー報告や、メッセージの子どもの安全警告「メールを非公開」によるプライバシー機能などがある。
音声コマンド専用の音楽サブスクなんて誰が必要とするんだ?と疑問に思った人もいるかもしれないが、実のところ、初めてそれを提供するのはAppleではない。
2019年、Amazon(アマゾン)はAmazon Musicサービスをもっと手頃な価格で提供する方法として無料で広告入りのプランを、Echoスピーカー専用として用意した。つまりそれは、AlexaのコマンドからしかアクセスできないAmazon Musicだった。
今回のSiriだけサービスもそれと似ているが、Appleのスマートスピーカーだけに限定されていない。AppleによるとHomePod、AirPods、iPhone、CarPlayなど、Siri対応のデバイスなら何でもよいとのことだ。
この音声オンリーのプランは、曲数が少ないApple Musicの簡易バージョンではない。これまでのサブスクと同じく、会員はApple Musicのカタログに載っている9000万曲や数万のプレイリスト、数百種類のムード、アクティビティプレイリスト、個人化されているミックス、ジャンル別のステーションなどにアクセスできる。Apple Music Radioも含まれている。
このコンテンツにアクセスするために、ユーザーは曲やアルバムやアーティストをSiriにリクエストし、おそらくは「play something chill(チルな曲をプレイして)」や「play the dinner party playlist(ディナーパーティー用のプレイリスト)」「play more like this(こんな曲をもっと)」といった音声コマンドでジャンルやプレイリストを指定するだろう。
Voiceプランの会員は、Apple Musicアプリをある程度利用できる。しかし通常のようにライブラリ全体を閲覧するのではなく、「今すぐ聴く」に先にプレイされた曲が表示され、タップやSiriのコマンドでそれに似た曲を聴くことができる。「ラジオ」は、ライブやオンデマンドのラジオにアクセスできる。検索機能もあるが、検索結果の曲はSiriに要求しないと再生されない。アプリには、Apple Music向けにSiriを最適化する方法も紹介されている。
Siriへのフィードバックは「I like this song(この曲は好き)」とか「I don’t like this song(この曲は好きではない)」などといえばよい。Siriは、歌手の名前や、曲名、アルバム名、発売年なども教えてくれる。
音声でApple Musicに付き合うことは、Siriを訓練することにもなり、ユーザーの好みをよく理解するようになる。そうなると、Siriに「play some music I like(私が好きな音楽をかけて)」や「play my favorites mix(私の好きなミックスをかけて」」などとお願いすると、そのとおりの曲をかけてもらえるようになるだろう。
AmazonのEchoオンリープランに対抗し、Apple MusicのVoiceプランはユーザーのSiriの利用履歴にAppleがアクセスできるようにしている。そしてそのデータを利用して、AlexaやGoogleアシスタントと比べて後塵を拝しているプロダクトを改良することができる。より大きな意味では、有料の音楽サービスを利用することをためらっていたお金に敏感なユーザーに、初めてそれを試してもらう機会になる。広告のない音楽をオンデマンドで聴けることの良さに目覚めたら、Pandoraの広告入りバージョンから離れるかもしれない。
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iOS 15.2のアップデートにより、Apple Music Voiceが提供されるのは、オーストラリア、オーストリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、インド、アイルランド、イタリア、日本、メキシコ、ニュージーランド、スペイン、台湾、英国、米国となる。
画像クレジット:Apple
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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)