インド競争当局がアマゾンによるFuture Group企業への出資取引を取り消し、事実隠蔽で罰金約30億円

インドの独占禁止監視当局は、Amazon(アマゾン)が2019年にFuture Group(フューチャーグループ)傘下の企業に出資することについて認めていた承認を取り消し、事実を隠蔽したとしてAmazonに約2630万ドル(約30億円)の罰金を課した。

インド競争委員会(CCI)は、2019年にFuture Coupons(フューチャークーポンズ)に出資したAmazonが「結合の実際の範囲と目的を隠し」、商業上の取り決めのいくつかを届け出なかったと指摘した。

インド最大の小売チェーンReliance Retail(リライアンス・リテール)は1年前、Future Groupの小売・卸売事業と物流・倉庫事業を34億ドル(約3870億円)で買収することで同社と合意したと発表した(CCIはインド2大小売チェーン間の取引を承認している)。

事態がややこしくなったのは、その直後からだ。AmazonはFuture Groupを契約違反で訴え、Future Groupへの先行投資の権利があると主張して、Future GroupとReliance Retailの取引停止を求めてシンガポールの仲裁センターに申し立てた。この問題はインドの最高裁にまでおよび、最高裁は8月に取引停止というAmazonに有利な判決を下した

当初、AmazonとFuture Groupの取引を承認していたCCIは、Future Groupからの申し立てを受けて再度審査を開始した。

「フォームIの項目8.8に基づく開示要求に対して、Amazonが関連する重要な文書を隠蔽した行為は、法45条1項(c)に反する 」とCCIは現地時間12月17日に59ページにわたる命令を出した[H/T ロイターのジャーナリストAditya Kalra(アディティア・カラ)氏]。

60日以内の罰金支払いを求められたAmazonは、命令をレビューしている、と声明で述べた。

「我々はインド競争委員会が下した命令をレビューしており、次のステップについては今後決定します」と、広報担当者はTechCrunchに語った。

命令の数日前に、Amazonはインドの反トラスト機関に、Future Groupとの2019年の取引を取り消せば外国人投資家にネガティブなシグナルを送り、インド最大の小売チェーンを所有するRelianceが「さらに競争を制限する」ことを可能にすると警告していた

インドの数百万の小売業者を代表するロビー団体、全インド商業者連合(Confederation of All India Traders)は、CCIの命令は「画期的なものであり、Amazonはその不正行為と、法律や規則の継続的な違反とともに、あらゆるレベルでの多くの嘘を完全に露呈した」と述べた。

画像クレジット:NOAH SEELAM / AFP Photo / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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