ITエンジニア不足が深刻化していると言われるが、優秀なエンジニアはすでに働いていたり、転職しようと思えば自分の横のつながりで新しい仕事を紹介されたりしている。企業に属さないイケてるエンジニアだってフリーランスや起業家として活躍しているもの。そんなITエンジニアの空き時間に着目し、企業とマッチングしているのが、今年2月にベータ版を開始した「PROsheet(プロシート)」だ。エンジニアに職務経歴書を登録してもらうことで、週2日からの仕事を紹介している。
エンジニアはサイト上で、自分が扱えるJavaScriptやPHP、Java、Ruby、Perlといった「言語」、LinuxやMySQLといった「スキル」、「希望報酬」を登録。希望に沿った案件がある場合は通知され、その場でエントリーできる。その後はプロシート専属のエージェントと面談し、希望条件を満たす企業に推薦してもらえる。最終的には企業との面談で業務委託契約を交わすことになる。
プロシートを運営するシェアゼロの中川亮氏によれば、すべての仕事が企業との直接案件のため報酬面が充実しているのが特徴。エンジニアが得られる報酬は「1日3万円がベース」。週2日勤務で月額24万円前後、週3日勤務で36万円前後の案件が多いという。自社サービスをやりつつ「ラーメン代稼ぎ」をしたい起業家や、時間を有効活用したいフリーランスなどに良さそうだ。
フリーのエンジニアが活躍する場としてはクラウドソーシングもあるが、「現状ではオンラインで完結する簡単なタスクが多い」と指摘する。サービス開始から3カ月で500人のエンジニアが登録し、年内に登録者数3000人を目指している。
採用企業にとっては、面談から最短1週間以内で稼働できるのがメリットだという。「即戦力を求める企業のニーズにも合致する」(中川氏)。プロシート側で登録者を事前にスクリーニングして、企業にフィットする人をエージェント経由で紹介するため、ミスマッチも起こらずに通常の採用のような負荷もないのだとか。これまでにカヤックやエウレカなどのベンチャー約60社が、100人近くのエンジニアと業務委託契約を結んでいるそうだ。
27日にはエンジニアを支援するために、シェアゼロが運営する東京・渋谷のコワーキングスペース「ライトニングスポット」にキャリア相談室を開設。プロシートの登録者に対して、TORETA(トレタ)やミイルのCTOを務める増井雄一郎氏ら現役エンジニアがメンターとなってアドバイスするサービスを開始した。あわせて、プロシート専属のエージェントが職務経歴書を添削するサービスも始めた。