SPACがすべてゴミとは限らない、そしてチームワークの力

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター、The TechCrunch Exchangeへようこそ。

こんにちは!今回は2つのトピックを取り上げる。1つ目は、いつもの取材範囲にすっぽり収まるものだ。2つ目はそうでもない。では始めよう!

すべてのSPACがゴミというわけではない

2021年のSPACラッシュの中で、Alight Solutions(アライト・ソリューションズ)の公開を見逃していた。この会社は、シカゴ郊外に拠点を置き、米国内の数千万人の従業員をサポートするビジネス・プロセス・アウトソーシング企業だ。2021年初めにSPAC経由で上場する意向を表明した後、2021年7月に白紙委任のFoley Trasimene(フォーリー・トラジメン)と統合した。

今週は決算発表もあり、その後にCEOのStephan Schol(ステファン・ショル)氏と対談した。Alightのレポートには重要な点が3つあるので、一緒に眺めていきたい。以下のようなものだ。

  • すべてのSPACが滅茶苦茶なわけではない: 現在Alight Solutionsは約47億ドル(約5431億円)の価値があり、統合前の1株あたり10ドルをわずかに上回る水準で取引されている。つまり、この会社のSPAC取引はかなり高く評価され、この手法で会社を上場させても、その後の数週間、数カ月、数四半期のうちに、ダメージを受けずに済ませることが可能だということだ。これまでは、失速しなかったSPACコンボの代表例はSoFiだったが、そこにまた新たな名前を加えることができる。
  • いくつかのSPACの予測がそれを裏づけている:Alightは、1月の合併発表時の投資家向けデッキで、2021年のBPaaSの収益は億6300万ドル(約419億5000万円)になるとの見通しだったと語っている。BPaaSはBusiness Process as a Service(サービスとしてのビジネスプロセス)の略で、同社のSaaS的なサービスの中でも、最も急速に収益が伸びているセグメントだ。しかし実際には、2021年のBPaaSの売上は3億9000万ドル(約450億7000万円)に達していた。重要な指標で予想を上回った!それこそが、会社をまだ水面上にとどめているのだと思う。
  • 利益ある成長という考え方:ハイテク企業が配当を開始すると、なぜ一部の業界では悪い知らせと見なされるのか?その理由の1つは、定期的な支出を通じて株主に現金を還元するという選択は、企業が資金を投入する場所がないことを示しており、将来の成長が鈍化することを意味しているからだ。そのような理由から、私たちは巨人ではないハイテク企業が、利益を犠牲にしてでも、がむしゃらに成長する様を目にすることが多くなる。Alightは両極端の間に位置し、ショル氏がTechCrunchに語ったように、利益の出る成長に焦点を合わせているようだ。これによって、彼の会社は特定の努力に対して「過剰な回転」をすることはなく。BPaaS戦略にすべてを賭けることもしない。もし長期的にうまくいかなくても、会社は生き延びるだろうと彼は説明した。なおAlightは利益を出しているので、彼の発言は黒字の立場からなされていることは念頭に置いて欲しい。それでも、ソフトウェアの移行を経験しているテクノロジ企業と多くの点で共通している点が多い一方で、成長と利益のバランスを取るアプローチが非常に異なる企業と話をするのは興味深いことだった。本当におもしろい。

さて次は少し毛色の変わった話だ。

チームワーク

毎週のことだが私はこの原稿を金曜日(米国時間2月25日)の午後に書いている。Daily Crunchを少しばかり補足するこの原稿を書き、週末を迎える。

だが、今週の金曜日はグッタリしている。不透明な経済、パンデミック、ウクライナ侵攻などの理由だけでなく、Chris Gates(クリス・ゲイツ)がTechCrunchを辞めて別の場所で新しい仕事をすることになったからだ。これまで彼の名前をあまり取り上げてこなかったので、クリスのことは多分ご存知ないだろう。

ともあれ、彼はEquity podcastの立ち上げメンバーであり、今日が最終日となった。この記事が読まれるころには、彼はもういない。私たちは約5年間一緒に仕事をし、何百もの番組を収録し、失敗に苦しみ、勝利を祝い、総じてチームとして番組を成功させてきた。ホスト役の交代、親会社の売却など、さまざまなことがあったが、彼はいつもそこにいて、落ち着いていて、温かく、準備万端だった。もちろん、EquityはGrace(グレース)、Mary Ann(メアリー・アン)、Natasha(ナターシャ)のおかげでもあり、ときおりDanny(ダニー)、Kate(ケイト)、Matthew(マシュー)、Katie(ケイティ)、Connie(コニー)にも参加してもらえる喜びもあった。グループプロジェクトとしての意味合いが強いのだ。

クリスと一緒に仕事ができなくなるのは、とても寂しい。しかし、彼の退任は、チームワークという人間力の掛け算を思い起こさせる。

その人物、その逸話、その微笑み。これはクリスが退社を発表したときにSlackに投稿したものなので、ここで晒しても文句は言われないだろう。彼は毎日エネルギーを持ち込んでくれた。

たとえばこのニュースレターは、私自身が書いている。そして、Annie (アニー)かRichard(リチャード)に読んでもらう。Henry(ヘンリー)もよく覗いてくれる。彼は数年前、私と一緒に企画を練りこの誕生をサポートしてくれた人物だ。最後に、セールスチームが適切な広告要素を取り込むために準備しているスロットへ、メールを使って原稿を送る。その後、読者の受信トレイに配信され、サイトに掲載されるのだが、それを可能にしているのは、私たちの技術陣だ。私の名前が一番上に出ているのは、中の言葉を書いたからだ。しかし、この記事は、重要な一連のチームワークの結果なのだ。

チームに関しては、身に余る幸運に恵まれている。私がこれまで一緒に仕事をしてきた人たちは、ごく少数の例外を除いて、私の人生の中でも普通に愛せるひとたちだった。クリスと私は、結婚式や子どもの誕生、引っ越しなどを挟みつつ、一緒にEquityに取り組んだ。私たちは一緒に人生を歩んできたのだ。

そして、The Exchangeが所属しているTechCrunch+のチームはエース級であることもお伝えしておきたい。Walter (ウォルター)、アニー、Ram(ラム)、Anna(アンナ)をはじめとするチームのメンバーはすばらしい人たちばかりで、一緒に仕事をできることは本当に幸運だ。一緒に仕事をしているからこそ、私はできることがたくさんあるのだ。そして、その恩返しができればと思っている。

チームワーク。それこそが最高のものだ。だからこそ仕事の別れがより一層辛くなる。

クリス、君の次の冒険のために、幸運を祈ろう。君が次に生み出すものが何であれ、君の1番のファンでいられることを楽しみにしている。

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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