小中学校の先生の悩みを解決するプログラミング教材、Scratch用拡張ボード「AkaDako」

小中学校の先生の悩みを解決するプログラミング教材、Scratch用拡張ボード「AkaDako」

学校教育向けハードウェア教材の開発と提供を行うティーファブワークスは2月28日、小学校でのプログラミング授業における担当教員の様々な悩みを解決することを目的に開発した、Scratch用拡張ボード「AkaDako」(アカダコ)の販売を開始した。本体価格は999円(税込)。

2020年から小学校のプログラミング教育が始まったが、担当する教師たちには数多くの悩みを抱えている。たとえば、教材の習得が大変、授業前の教材の準備(インストール、ユーザー登録、設定など)が大変、授業中のトラブル(Bluetoothのペアリング、ダウンロードなど)の対応が大変などだ。40人学教では、先生1人がそれらに対処しなければならない。また、教材は高価なためすべての生徒に配布することはできず、授業が終わると回収することになり、せっかく生徒に興味が芽生えても、授業以外で学ぶことができない。教科書にはAIやIoTなども紹介されているが、先生の準備やスキルが追いつかない、または授業時間が短いなどの理由で教えられないといった残念な問題もある。さらに、購入した教材が使用できる単元は「電気の時間」のみと限られるため、使われずに仕舞われている時間が長い。

ティーファブワークスは、これまでmicro:bitを中心としたプログラミング教育で学校と協力してきた経験を活かし、こうした現場の悩みを解決できるプログラミング教材「AkaDako」を開発した。これには、次の6つの特徴がある。小中学校の先生の悩みを解決するプログラミング教材、Scratch用拡張ボード「AkaDako」

  • 事前準備を限りなくゼロへ:先生も生徒も経験があるScratchを採用。アプリのダウンロード、組み立て、電源が不要(USB給電)
  • 授業中のトラブルを限りなくゼロへ:Bluetoothのペアリング不要(USB接続)、Scratchで「緑の旗」をクリックするだけで設定完了
  • 低コスト:本体価格は999円(税込)なので、各生徒に配布できる。安価なGroveシールド(拡張部品)にも対応
  • 多くの授業で利用可能:「電気の利用」以外の理科の実験、図工、技術家庭の教材としても利用できる
  • AIと簡単に連携できるXcratch(Scratch互換環境)、Scratch3に対応し、画像認識や音声認識などのAIを使ったフィジカルコンピューティングを簡単に学べる

ティーファブワークスでは、4月から「AkaDako」の学校、教育委員会向けに無料レンタルを開始する。また、そのコア技術をOEM提供する準備も整えているとのことだ。問い合わせは、同社の「お問い合わせ」フォームから行える。

「AkaDako」の仕様

  • 対応端末:Windows、Chromebook、Mac、Raspberry Pi
  • 対応ウェブブラウザー:Chrome(モバイル版除く)、Edge(chromium版)
  • 入出力USB micro-B、アナログ1系統5V(Grove端子兼用)、デジタル1系統5V(Grove端子兼用)、5V、GND
  • Grove端子:アナログ2系統、デジタル2系統、I2C 2系統
  • サイズ:縦65✕横50✕高さ12mm
  • 重さ:10g

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。